研究課題/領域番号 |
10680518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 薬学部, 助手 (00196809)
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研究分担者 |
渡邊 正巳 (渡邊 正己 / 渡邉 正己) 長崎大学, 薬学部, 教授 (20111768)
児玉 靖司 長崎大学, 薬学部, 助教授 (00195744)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 放射線 / リン酸化 / p53 / ATM / 情報伝達 / MDM2 / 分子生物学 / 放射線生物学 |
研究概要 |
1.放射線照射正常ヒト細胞におけるp53蛋白質の増加 正常ヒト細胞におけるX線によるp53蛋白質の増加動態を調べたところ、照射後1時間で増加しはじめ、約10%の細胞が生存する線量である4Gyまでの線量では2相性の、それ以上の線量では1相性の増加動態を示すことがわかった。Streptlysin-Oを用いて細胞膜に穿孔を形成させ制限酵素であるPvuIIを誘導したところp53蛋白質の増加が見られたことより、放射線によるp53の増加にはDNA切断がトリガーになっていることが推察された。 2.ATM蛋白質によるp53蛋白質の部位特異的リン酸化 AT患者由来の線維芽細胞においてX線によるp53蛋白質の顕著な増加が見られなかったことから、ATM蛋白質がp53蛋白質の増加に関与することが示唆された。Ser15がリン酸化されたp53蛋白質を特異的に認識する抗体を用いた実験から、AT細胞では放射線照射後のSer15のリン酸化が起こらないことを見いだし、ATM蛋白質が部位特異的にp53蛋白質をリン酸化していることを明らかにした。さらに、放射線照射したDNA-セルロースを用いた実験から、ATM蛋白質がDNAの切断部位に特異的にリクルートされて活性化されることも明らかにした。 3.部位特異的リン酸化とMDM2蛋白質結合によるp53蛋白質の機能制御 プロテアソーム阻害剤であるALLNを用いた実験から、平常時のp53蛋白質は絶えずユビキチン化されて分解されていることが明らかに'なった。放射線照射後p53蛋白質のSer15がリン酸化されるが、従来いわれているようなMDM2蛋白質との相互作用が弱まりユビキチン化が低下する結果は得られなかった。したがって、Ser15のリン酸化はユビキチン化されたp53蛋白質がプロテアソームで分解されるプロセスを制御していることが示唆された。
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