研究課題/領域番号 |
10680521
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森 展子 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (90100221)
|
研究分担者 |
奥本 正昭 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (50100186)
山手 丈至 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50150115)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | アポトーシス / アポトーシス感受性 / 遺伝解析 / マウス / 胸腺 / 放射線 / 放射線リンパ腫 / 感受性 / 遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、アポトーシス感受性のさらなる遺伝解析と、これまでにマウス16番、9番、3番染色体上にマップした胸腺細胞のアポトーシス感受性遺伝子Rapop1、Rapop2、Rapop3の詳細な位置決定と遺伝子の同定を目的とした。いずれの遺伝子座においてもBALB/c型アリルの一つがSTS型に変わるとアポトーシスが減少する。Rapop1とRapop2は胸腺細胞の放射線誘発アポトーシスだけでなく、その効果は異なるものの大腸クリプト上皮細胞のアポトーシスにも関与していることが示唆された。さらに、Rapop1は胸腺細胞の放射線アポトーシスだけでなくステロイド誘発アポトーシスにも影響していることがわかった。P53欠損はステロイド誘発アポトーシスを増大させた。BALB/cの遺伝的バックグラウンドにおいて16番染色体の一部がSTS由来の遺伝子に置き換わっているリコンビナントを数種類選んで調べた結果、Rapop1の最小領域はD16Mit34近傍の0.45cMに絞られた。この範囲にDNA二重鎖切断の非相同組換え修復に関係する酵素DNA-PKのホロ酵素DNA-PKcsがマップすることがわかったのでDNA-PKcsをRapop1の候補遺伝子として検討した。DNA-PKcsのcDNAの塩基配列を比較した結果、BALB/cとSTSの間で二箇所にアミノ酸置換をもたらす違いがあった。DNA-PKcsのハプロタイプは、少数の系統でBALB/c型、大多数はSTS型を示し、STS型が野生型であるとわかった。BALB/c型アリルを持つマウスではDNA-PKcsの発現は著しく低く、低いDNA-PK活性に対応した。mRNAの発現レベルに差はなかった。交配によってDNA-PKcsのアリルの一つをBALB/c型からSTS型に置き換えると、放射線による胸腺細胞アポトーシスが低下した。BALB/cのDNA-PKcsをSTS型に置き換えたコンジェニックマウスは、BALB/cより放射線リンパ腫の発生が低下した。これらの結果は、DNA-PKcsがRapop1の候補遺伝子であることを強く示唆した。
|