研究概要 |
荒川における「21世紀の水循環の創成と水循環の保全」について報告する。 〔1〕荒川の「水循環システム」の確立についての調査研究。 荒川の水循環と荒川源流の水源林の保全のために,(1)水源林の涵養の必要性,(2)水源林の整備・維持管理の強化,及び(3)「緑のダム」構想等の「水循環システム」の確立が重要であるため,上流域の自然環境保全について調査研究を行なった。 〔2〕東京都の水道水源域の保全と育成の確立についての調査研究。 (1)多摩川の水道水源林の保全は,東京都が上流域の水干を中心にして管理していることもあり,水質は良好な状態に保たれていることが確認された。 (2)荒川・利根川の水道水源の保全のためには,国の行政レベルの水浄化対策を講じる必要がある。 〔3〕荒川の上流・中山間地域の下水道処理システムの確立のための検証。 (1)荒川源流域・山間地での合併浄化槽の普及により,「BOD値」の水質で1/8以下に改善されることが判明した。 (2)荒川中流域に、下水道処理場及び産業廃棄物処理施設が多く存在し、荒川への排出基準の確立及び国の行政指導が重要な課題となってくる。 〔4〕地域の住民・市民が提言する「水環境保全システム」の確立。 市民・環境保全団体が,国や行政に対し,「河川の環境保全」の調査結果を提言した時は,その提言案を尊重し,行政レベルで反映できるシステムの確立が必要である。
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