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宮古島における潜水漁業者と観光ダイバーの自然認識に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680551
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 環境保全
研究機関北九州市立大学

研究代表者

竹川 大介  北九州大学, 文学部, 助教授 (10285455)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード沖縄 / 宮古島 / 漁業権 / 環境 / 生態人類学 / エコツーリズム / 漁業補償 / 自然認識
研究概要

伊良部島の佐良浜は、池間系漁民の分村で沖縄漁業のいわば先進地であり、佐良浜の人々は陸に土地をほとんど持たず農業に依存しない特化した漁業者である。日本各地の漁業が大型化し遠洋化を進めるなかで、宮古島周辺は珊瑚礁の海域での潜水漁を盛んにおこない続けた。しかし90年代にはいって、宮古島周辺でも観光ダイビング業が急速に増加していく。潜水漁業者とダイビングショップのあいだで海の利用権をめぐる確執が起きたのはそうした時期であった。
漁協とダイビングショップの代表者は、裁判や調停によって、漁業権や金銭補償の観点からこの問題の解決方法を探ろうとしてきた。そして2年近くにおよぶ交渉の結果、両者は合意にいたった。
しかし、個人の潜水漁師の誇りや不安は必ずしも補償によって解消されるものではなかった。「海はだれのものか」という根元的な問いかけは、利用料をやりとりする場で議論するにはあまりに漠然としており結局交渉の過程で積み残されてしまった。
まず調査では、漁業者たちの漁場に関する知識、地理的認織、実際の漁における時間的空間的利用を調べることにより、彼らの海に対する認識を明らかにしていった。
そしてそれを観光ダイバーのものと比較した。たとえば観光ダイバーがつけた新しい地名は、古くから漁民が使ってきた地名とはほとんど関連性がなく、自分たちの興味に基づいてまるで植民地のように宮古の海を浸食していた。
最後に、海を利用するものたちが伝統的に作り上げてきた権利のあり方について考察した。漁民にとっての海の所有意識とは、彼ら個人が持つ多様な知識そのものが根拠になっていた。それは、排他的に領域を囲い込む農耕民的土地権利意識とは大きく異なる。いわば互いの知識の違いを利用して共同利用者どうしが権利を保証しあうという開かれたシステムだった。

報告書

(3件)
  • 1999 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 竹川大介: "宮古島における漁民および観光ダイバーの確執と海への権利"国立歴史民俗学博物館研究報告書. (予定). (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Daisuke Takekawa: "The environmental cognition for marine right of fishermen and fun divers in Miyako Island"Bulletin of the National Museum of Japanese History. (in press). (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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