研究課題/領域番号 |
10680572
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
|
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
井上 謙一郎 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40025713)
|
研究分担者 |
林 宏明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (50260998)
山本 浩文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40210554)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | イリドイド配糖体 / セコロガニン / 生合成 / スイカズラ / 脱分化 / 培養細胞 / 酵素 / シトクロムP450 / ロガニン / 水酸化酵素 / 植物培養細胞 / シトクロームP-450 |
研究概要 |
本研究の目的は、脱分化した培養細胞においてイリドイド配糖体の生合成に関与している酵素がどこまで発現しているかを分化した小植物体との比較において突き止め、欠損酵素と脱分化の関係および培養細胞に存在する各生合成酵素の諸性質を明らかにすることである。まず、植物材料としてスイカズラを選び、その培養細胞を作成し、含有成分を検索したところ、本培養細胞は、植物体成分であるロガニンやセコロガニン誘導体を全く生産していないことがわかった。しかし、ロガニンやその生合成前駆体7-デオキシロガニンを投与するとセコロガニンを生成した。そこで、まず、イリドイド生合成酵素がどこまで存在するのかを調べるために、種々の生合成前駆体を同培養細胞に投与したところ、骨格形成以前の前駆体メバロン酸、ゲラニオールは全く取り込まれず、また骨格形成後の中間体のうちイリドジアール配糖体以後の3種の中間体は取り込みの差はあるが取り込まれた。本実験より、モノテルペン生合成の初期段階の生合成酵素かイリダン骨格形成に関与する酵素が欠落していることが示唆された。今後この問題を植物体との比較で検討する予定である。また本培養細胞を用いた酵素実験より、イリダン骨格形成後のイリドイド生合成に関与する酵素のうち、7-デオキシロガニン水素化酵素(7-デオキシロガニンとりロガニンへの水酸化を触媒する酵素)とセコロガニン合成酵素(ロガニンよりセコロガニンへの酸化的開環を触媒する酵素)がともにシトクロームP450であることを明らかにした。特に、後者の酵素は30年来の懸案の酵素であり、厳密な作用機序は未だ不明ではあるが、本研究により、この酸化的開裂反応にラジカルが関与していることを明らかにできたことは今後の植物成分生合成研究に寄与するところ大であると思われる。
|