研究課題/領域番号 |
10680575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 山形大学 (1999-2000) 岡崎国立共同研究機構 (1998) |
研究代表者 |
小崎 紳一 山形大学, 教育学部, 助教授 (40280581)
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研究分担者 |
渡辺 芳人 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (10201245)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / ミオグロビン / 酸化反応 / ヘム酵素 / oxidation |
研究概要 |
本研究は、蛋白質の機能-構造相関についての理解を深めるために、ヘム酵素のヘム近傍に存在するアミノ酸残基の役割を解明することを目的として3年前に開始された。具体的には、本来、酵素としての機能を持たないミオグロビンをビルディングブロックとしてとらえ、部位特異変異の手法を用いてヘムオキシゲナーゼ、ペルオキシダーゼといった酵素へと機能変換していくという試みを通して、以下に挙げる知見を得ることができた。 1)ミオグロビンとその変異体によるアスコルビン酸(還元剤)存在下におけるヘム分解反応の位置選択性は、ヘム近傍に存在するアミノ酸残基の極性に依存しており、同様な考え方がヘムオキシゲナーゼにも応用可能であることを示した。 2)ミオグロビンのヘム鉄の配位子をヒスチジンから嵩の小さいグリシンに変異させ、外部から様々な置換基を持つイミダゾールを導入することで鉄への電子供与性を変化させても、過酸化水素との反応性は大きく変化しないことから、ペルオキシダーゼにおいても、軸配位子は過酸化水素の活性化に従来から提唱されているほど大きな影響を与えていない可能性を示した。 3)ミオグロビンのヘム上部に存在するヒスチジンを極性の高いアスパラギン酸に変異させることで、野性型の300倍以上もの酸化活性を持つ酵素へと変換する事に成功した。この結果により、ヘム上部にヒスチジンの代わりにグルタミン酸を持つクロロペルオキシダーゼにおいても、酸性残基が重要であることを示唆することができた。 4)ミオグロビンのヘム近傍にトリプドファンを導入すると、酸化触媒サイクルにおいて蛋白質の翻訳後修飾がおこり、トリプトフィルキノンが生じることを確認した。この結果は、アミン脱水素酵素に存在する補酵素、トリプトファンートリプトフィルキノン(TTQ)の生合成過程に関わるヘム酵素モデルとして重要であることを示した。
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