研究課題/領域番号 |
10680601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (30235428)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Cタイプレクチン / BmLBP / 認識ペプチド / カイコ / Bombyx mori |
研究概要 |
アフィニティー精製法を用いてカイコ体液中のグラム陰性菌(大腸菌:Esherichia coli)、グラム陽性菌(Micrococcus luteus)および真菌(Saccharomyces cervisiae)の認識、排除に関与するペプチドの探索を行った。 まず、これまでに報告済みである大腸菌結合タンパク質BmLBPのcDNAクローニングを行った。得られたcDNAより、BmLBPはアミノ酸配列の異なる二つの糖鎖認識部位(CRD)からなる新規のCタイプレクチンスーパーファミリーのメンバーであることが明らかになった。また、カイコに注射した大腸菌は血球により捕捉されるが、この際に形成される大腸菌捕捉血球の集合体であるノジュールの形成にBmLBPが必須であることが明らかになった。 一方、Saccharomyces cervisiaeとMicrococcus luteusの各菌体にはそれぞれ約42kDaのペプチドが結合した。これらのペプチドの結合には2価の金属が必要で、菌体上の糖鎖が関与することが明らかになった。すなわち、既知の認識ペプチドから推し量る限りでは、これらのペプチドはCタイプレクチンであると考えられた。 次に、精製した結合ペプチドを元にそれぞれの抗血清を作製し、3種の微生物結合ペプチドの異同について検討した。その結果、Saccharomyces cervisiae結合ペプチドとMicrococcus luteus結合ペプチドは同一かあるいは極めて構造的に共通性の高い関係にあることが明らかになった。また、BmLBPはこれら2種のペプチドとは異なるものであることが明らかになった。 以上のように、本実験の結果から昆虫体液中には性状の類似したCタイプレクチンが少なくとも2種類存在すると予想された。また、極めて少ない種類のCタイプレクチンで真菌、グラム陽性菌、グラム陰性菌の認識を可能にしていると言った、抗体による認識の場合とは全く異なる構図が予想された。
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