研究課題/領域番号 |
10680612
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 英彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90065912)
|
研究分担者 |
田村 隆 岡山大学, 農学部, 助教授 (40253009)
稲垣 賢二 岡山大学, 農学部, 教授 (80184711)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素 / イソクエン酸脱水素酵素 / 基質認識機構 / 補酵素特異性 / X線結晶構造解析 / 基質認識部位 / 変異導入プライマー / イソクエン酸・脱水素酵素 / 3-イソプロピルリン丁酸脱水素酵素 |
研究概要 |
1)鉄酸化細菌由来3-イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の構造解析 Thiobacillus ferrooxidans(Tf)より化学合成独立栄養細菌として初めて3-イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素(IPMDH)遺伝子を大腸菌にクローニングし、本酵素の一次配列、諸性質、立体構造及び基質認識機構を解明した。Tf-IPMDHはその構造骨格及び代謝機構において、イソクエン酸脱水素酵素(ICDH)と類似性を示し、脱炭酸を伴う脱水素酵素という独特なグループに分類される。両酵素の基質間で異なるのは2R-リンゴ酸についているγ位の部分のみである。結晶構造解析の結果から本酵素が二量体を形成し、活性部位はサブユニットのドメイン1と2の狭間に存在することが判明した。活性部位を形成する残基は、ICDHの残基と基質のγ位を認識する部分を除き相同性が非常に高い。また、親水性残基であるGlu88が基質のイソプロピル基を認識する疎水性ポケットの形成に関与していた。 2)Tf-IPMDHの基質特異性の変換 我々はTf-IPMDHのγ位認識部位(Ala72〜Leu92)をEc-ICDHのγ位認識部位(Pro102〜Val116)に変換させることによって、イソクエン酸に対して活性のある変異酵素が作製できるのではないかと考えた。この実験では十数アミノ酸残基を置換するので、まず立体構造上、変異酵素が高次構造を形成できるのかを検討した。その結果、多少のループ構造のずれは生じるが、許容範囲内であったので研究を開始させた。現在変異酵素は大腸菌内で発現され、可溶性画分に回収することができている。 3)Thiobacillus thiooxidans(Tt)由来NAD依存型ICDHの構造と補酵素認識機構 Thiobacillus thiooxidans由来のNAD依存型ICDHの遺伝子を単離し,酵素の一次構造を明らかにするとともに,補酵素認識機構を解析した。本酵素のアミノ酸配列は、細菌由来NADP-ICDHまたはIPMDHと全般にわたり高い相同性を有し、Ec-ICDHと59.2%、Tf-IPMDHと22.6%の相同性を示した。また、α-ヘリックスやβ-ストランド等の推定二次構造を構成する領域がよく一致することから、Tt-ICDHが立体構造的にもこれらの酵素と非常に類似していることが予想される。一方、補酵素認識部位のアライメントの結果は、Tt-ICDHが、NADの認識に重要なAsp357を有する一方、NADP-ICDHに特徴的なNADP^+のリン酸を認識するチロシン残基を欠くことを示し、本酵素がIPMDHに類似の補酵素認識部位を有することが示唆された
|