研究課題/領域番号 |
10680627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
太田 善浩 東京農工大学, 工学部, 講師 (10223843)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ミトコンドリア / ATP / 蛍光顕微鏡 / イメージング / 膜透過性変化 / 膜電位 / NADH / フラビン / 蛍光画像 / ATP合成 / フラビン蛋白質 |
研究概要 |
本研究では、ミトコンドリアのATP合成に関連した活性を蛍光顕微鏡を用いて、単一ミトコンドリアで測定した。従来のミトコンドリア研究はミトコンドリア集団を用いて行われてきた。そのため、例えばチャネルの開閉のような個々のミトコンドリアで異なった時刻におこる現象は、検出できないという欠点があった。本研究では、顕微鏡の下で1個のミトコンドリアで活性測定を行う技術を開発し、上記弱点を克服した。 単一ミトコンドリアを顕微鏡観察するために、ミトコンドリアをポリフェノール蛋白で表面をコーティングしたカバーガラスに吸着させた。この吸着は、ミトコンドリアのATP合成速度を下げることはなく、活性測定には適した吸着方法であることがわかった。次に、ミトコンドリアに呼吸基質であるリンゴ酸を添加して代謝応答を測定した。NADHの生成とフラビン蛋白質の還元ではミトコンドリアごとに大きな差は認められず、得られた結果は従来ミトコンドリア集団で測定されていた結果と同じであった。一方、ミトコンドリア膜電位は、個々のミトコンドリアごとに異なった時間で形成と消失を繰り返しており、ミトコンドリア集団で得られていた結果と大きく異なっていた。ミトコンドリアの膜電位の急激な消失はPermeability transition poreと呼ばれる巨大な蛋白質複合体からなるチャネルが開いて起こることが確認できた。このチャネルの開閉はミトコンドリアのATP合成に大きな影響を与えるものであり、ミトコンドリア電子伝達系の酸化・還元と関連して開閉することが分かった。
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