研究課題/領域番号 |
10680631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 直哉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50222063)
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研究分担者 |
飯田 荘象 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80022664)
木島 博正 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30012397)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シナプス / カルシウム感受性蛍光色素 / シナプス前末端 / カルシウムイオン / 神経筋接合部 / 共焦点顕微鏡 / 短期可塑性 |
研究概要 |
高速共焦点顕微鏡によるCa^<2+>ドメインの可視化 カエル神経筋シナプス前末端において2ミリ秒の時間分解能での高速のCa^<2+>イメージングに成功し、電位依存性Ca^<2+>チャネルから流入したCa^<2+>により形成される空間的にヘテロなCa^<2+>濃度分布(Ca^<2+>ドメイン)を可視化した。Ca^<2+>ドメインは神経刺激後5〜15ミリ秒の時間に存在し、25ミリ秒程度たつとほぼ一様になることが判った。 シナプス前末端内Ca^<2+>除去へのミトコンドリアの寄与 ミトコンドリア内Ca^<2+>をRhod2で測定した。連続刺激中は前末端内Ca^<2+>濃度上昇がプラトーに達したあたりからミトコンドリア内Ca^<2+>が上昇し始め、刺激終了後は前末端内Ca^<2+>は速やかに減少したのに対して、ミトコンドリア内Ca^<2+>は非常にゆっくりとしか減少しなかった。クロナゼパムでミトコンドリアからのCa^<2+>放出を抑制すると、100Hz30〜100回刺激終了後の末端内Ca^<2+>の減衰が速くなることからも、取り込まれたCa^<2+>が連続刺激終了後にミトコンドリアからゆっくりと放出されることが示された。 前末端内残存Ca^<2+>と短期可塑性(促通)との関係 BAPTAが少量でも負荷されると速い促通が抑制され負荷量が増えるとほとんど消失した。この時には遅い促通も減少した。EGTAは速い促通への抑制効果がBAPTAに比べて非常に弱く、多量に負荷しても速い即通は残った。しかし、遅い促通はよく抑制した。BAPTAを負荷すると、速いCa^<2+>減衰は消失し、減衰時定数1〜2秒ほどの成分のみになった。EGTAを負荷した時には大きさは小さくなるものの速いCa^<2+>減衰成分が残り、後は減衰時定数が3〜4秒の非常に小さな成分になった。速い促通は古典的残存Ca^<2+>で説明可能であるが、遅い促通は、残存Ca^<2+>を間接的に反映する遅いキネティクスを持った機構である。
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