研究課題/領域番号 |
10680654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩城 明子 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (30253454)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 熱ショック蛋白質 / クリスタリン / ストレス / ストレス蛋白質 / クリスタン |
研究概要 |
HSPB2とαB-クリスタリンは共に低分子量熱ショック蛋白質(small HSP)ファミリーのメンバーであり、その遺伝子はわずか959bpを隔てて向き合う特異な構造を持っている。HSPB2は最近我々が見つけた新規蛋白質であり、本研究ではHSPB2遺伝子の発現様式を詳細に調べ、αB-クリスタリンのそれと比較し、近接して存在する二つの遺伝子の組織特異的発現制御機構を統合的に理解することを目標とした。(1)HSPB2は心臓、骨格筋でのみ弱い発現が見られたが、αB-クリスタリン水晶体、心臓、骨格筋で強い発現が見られ、さらに腎臓やグリア細胞でも発現していた。2つの遺伝子が共に発現している様々の筋組織での発現を発達の段階を追って調べた結果、両者とも発現パターンがよく似ており類似の発現調節機構の存在が示唆された(投稿準備中)。(2)筋芽細胞C2C12およびトランスジェニックマウスの系でプロモーター解析を行ったところ、予期した通りエンハンサーを共有していることを示唆する結果を得た(投稿準備中)。(3)グリア細胞では細胞外カリウム濃度の上昇によりαB-クリスタリンの蓄積が見られるがHSPB2は変わらなかった。プロモーター解析の結果、αB-クリスタリン遺伝子の近傍に存在する熱ショック応答エレメント(HSE)がKClによるαB-クリスタリン遺伝子の転写活性化に重要であることが分かった。ゲルシフトアッセイによりそのHSEに熱ショックでは熱ショック転写因子(HSF1)が、一方KClではHSF2が結合しているという予想外の事実を発見した。αB-クリスタリン遺伝子転写活性化へのHSF2の関与を示唆する結果であり、HSF2の機能を知る上でも興味深い知見が得られた(投稿中)。
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