研究課題/領域番号 |
10680682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡村 直道 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30134224)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 精巣上体 / 精子成熟 / 受精能獲得 / コレステロール / 先体反応 / 性周期 / ジーンターゲティング / 生体反応 |
研究概要 |
哺乳動物の精子の成熟は、精巣上体において、上皮細胞から分泌される種々のタンパク質の作用を受けて行われる。本研究では、研究代表者らによってブタ精巣上体分泌液に見出された16kDaコレステロール結合タンパク質(16kDa-ChBP)の生理作用について以下の解析を行なった。1)16kDa-ChBPへのコレステロール結合の性質の解析:16kDa-ChBPは1分子に1コのコレステロール結合部位を持ち、その結合解離定数は2.3mMであった。また精子細胞膜へのコレステロールの結合を抑え、細胞膜からのコレステロールの解離を促進する作用があることが明らかとなった。精巣上体における成熟の際に、精子細胞膜のコレステロール含量が減少することが知られており、16kDa-ChBPは精子細胞膜からコレステロールを抜き取る作用によって精巣上体での精子成熟に関与していることが強く示唆された。2)16kDa-ChBPの雌性生殖器官内での精子の受精能獲得(capacitation)に対する作用の解析:capacitationの際にも精子細胞膜からのコレステロールの流出が起こることが知られており、これにも16kDa-ChBPが関与している可能性が考えられる。そこで16kDa-ChBPのmRNAの子宮、輸卵管、卵巣における発現を性周期を追って調べたところ、何れの組織でも発情期と発情後期に発現量が高く、発情休止期と発情前期で低くなるという周期性が認められた。この時期は精子が子宮及び卵管内に存在する時期であり、また、排卵に伴って卵胞液が卵とともに放出される時期と一致する。これらの結果は16kDa-ChBPがcapacitationにも関与していることを強く示唆する。実際に、in vitroでは、精子のcapacitationを促進することが判明した。3)16kDa-ChBPの遺伝子欠損マウス作成のためのターゲティングベクターの構築:16kDa-ChBP遺伝子をクローニングし、その構造を解析したところ、3個のイントロンによって分断された4個のエキソンからなっていることが判明した。さらにこの遺伝子は第12番染色体のD領域に位置していることが明らかとなった。そこで、エキソン2とエキソン3の一部まで約5.1kbpを、pMC1Neo(STRATAGENE)に含まれるTK promoterとネオマイシン耐性遺伝子に置き換え、DT-AカセットBベクターに挿入した。
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