研究課題/領域番号 |
10680703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
玉谷 実智夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30294052)
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研究分担者 |
小川 智 金沢大学, 医学部, 教授 (90283746)
遠山 正彌 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40028593)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ORP150 / 神経細胞死 / 虚血 / 低酸素 |
研究概要 |
本年度は主に遺伝子工学的手法を用いて虚血性神経細胞死における150 kDa Oxygen Regulated Protein150(ORP150)の役割を明らかにすることを目的とし、以下の実験結果を得た。 (I)脳梗塞患者におけるORP150の発現 脳梗塞で亡くなった患者の剖検脳におけるORP150の発現をみた。発症後早期においては虚血中心の神経細胞に、慢性期においては虚血周辺部のアストロサイトに強い発現を認めた。 (II)培養細胞におけるORP150の発現機序の解析 ORP150は培養神経細胞において低酸素環境下において2-4時間と早期に一時的な比較的弱い誘導が認められた。一方アストロサイトにおいては6-12時間後より持続的な強い発現誘導が認められた。 (III)ORP150トランスジェニックマウスにおける梗塞サイズの解析 マウス中大脳動脈閉塞後の梗塞サイズをTTC染色によりORP150トランスジェニックマウスと野生型マウス間で比較した。トランスジェニックマウスにおいて有意な梗塞サイズの減少が認められた。また、この機構にCASPASE-3活性化の抑制が関与することがわかった。神経学的所見においても有意に改善が認められた。 (IV)ORP150が神経保護作用を示すメカニズムの解析 底酸素環境下ではBDNFをはじめとする神経栄保護因子は小胞体に蓄積し細胞外へ分泌されない。ところがORP150を過剰発現した神経細胞では、細胞外への神経保護因子の分泌の低下は認められなかった。よって、ORP150の神経保護機構に神経保護因子の小胞体から細胞外への輸送促進が関与することがわかった。
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