研究課題/領域番号 |
10680714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
小柳 清光 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00134958)
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研究分担者 |
内原 俊記 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (10223570)
河上 江美子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (00301797)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | パーキンソン痴呆症 / 進行性核上性麻痺 / 大脳皮質基底核変性症 / 黒質 / 神経細胞 / 神経原線維変化 / グリアタングル / 定量 / 細胞原線維変化 |
研究概要 |
Guam島のパーキンソン痴呆症(PDC)、および進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)の疾患特異性を明らかにすることを目的とした。 【対象と方法】 臨床病理学的に診断されたPDC50例(定量的検討には7例)、日本人のPSP7例(定量的検討には5例)、CBD5例、対照5例を用いた。 方法 1.ホルマリン固定パラフィン包埋された黒質を使用した。2.HE、KBなどの染色標本を作成し、光顕観察を行った。3.ガリアス染色、およびtauに対する種々の免疫染色を行って神経原線維変化(NFT)、グリアタングルを光顕的に検討した。4.黒質神経細胞、グリアタングルを定量的に検討した。5.戻し電顕によるNFTの超微構造を検討した。 【結果、考察と結論】 PDCの黒質で、astrocyteにgranular hazy inclusionが見られ、PSP、CBDでthreadが認められたことは、大脳と同質の疾患特異的な病的変化が黒質にも存在することを示唆している。 PDCでは、黒質神経細胞は、pigmented neuronが極めて強く脱落する一方、nonpigmented neuronは比較的保たれる傾向を示した。一方PSPでは、non-pigmented neuron脱落のパターンはPDCとは異なって見え、病的機序の相違を示唆するとともに臨床症状に修飾を及ぼした可能性が考えられた。 黒質の神経細胞脱落、NFT、グリアタングルなどの所見から、PDCは、PSP、CBDとは異なる独立した疾患と考えられた。一方PSPとCBDには相違点とともに共通する所見もみられ、共通したpathoetiologyに基づく、異なるphenotypeである可能性がある。この2疾患がそれぞれ独立した疾患かの判断は慎重を要する。
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