研究課題/領域番号 |
10680718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森脇 晃義 岡山大学, 医学部, 講師 (10144742)
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研究分担者 |
松井 秀樹 岡山大学, 医学部, 教授 (30157234)
松下 正之 岡山大学, 医学部, 助手 (30273965)
近藤 英作 岡山大学, 医学部, 助手 (30252951)
富澤 一仁 岡山大学, 医学部, 助手 (40274287)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | サイクリン依存性キナーゼ / Cdk5 / p35 / 海馬 / シナプス小胞 / シナプシン / アクチン |
研究概要 |
シナプス伝達を制御するサイクリン依存性キナーゼとその活性化因子の一つであるp35に注目し以下の点を明らかにした。 成熟ラット脳ではサイクリン依存性キナーゼ5(Cdk5)は神経細胞の軸策およびシナプス終末にのみ発現しており核周辺部には発現が認められない。ところがCdk5の神経細胞特異的活性化因子であるp35はシナプス前終末には存在せず核周辺部にのみ存在していることが明らかとなった。従って成熟ラット脳の神経細胞においてはp35とは別の因子によりCdk5の活性が制御調節されることが予測された。 シナプス伝達におけるCdk5の作用をその阻害剤を用いて検討した。成熟ラット海馬スライスを用いてシェーファー交連線維とCA1錐体細胞間の興奮性シナプス伝達を細胞外から記録した。Cdk5阻害剤であるRoscovitineは興奮性シナプス後電位の振幅を数倍に増大させた。しかし対照薬剤であるOlomoucineは興奮性シナプス後電位の振幅に影響を与えなかった。 Cdk5はシナプシンをリン酸化することがすでに明らかとなっている。このリン酸化過程によって、シナプス小胞とアクチンとの結合に影響を与えない。しかしこのリン酸化過程はMAPキナーゼによるシナプシンのリン酸化を抑制する。これらの結果からサイクリンキナーゼ5がシナプス小胞のアクチンからの遊離に対し何らかのフィードバック制御を行うことによってシナプス伝達の調節に関与することが示唆された。
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