研究課題/領域番号 |
10680722
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
柴 忠義 北里大学, 理学部, 教授 (80187385)
|
研究分担者 |
伊藤 道彦 北里大学, 理学部, 助手 (90240994)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | JNK / MAPキナーゼ / MAPキナーゼキナーゼ / MAPキナーゼキナーゼキナーゼ / スキャホールドタンパク質 / JNKカスケード / ニューロン / JNK3 / 脳神経 |
研究概要 |
本研究では、ストレスやアポトーシスのシグナル伝達に関与するJNKの中で、特に脳神経系に強く発現が認められるマウスJNK3に相互作用するJSAP1及びJNKBP1の解析を行った。 1.JSAP1の解析:(1)JSAP1は脳神経系で強い発現が認められ、さらにERK2, p38MAPK, JNK1-3の各MAPキナーゼ野中でJNK特にJNK3に強く結合する。(2)JSAP1はJNKキナーゼであるSEK1/MKK4あるいはJNKキナーゼキナーゼであるMEKK1とJNK結合領域とは違う領域で結合する。(3)JSAP1は坑JSAP1抗体の解析より細胞質に局在する。(4)JSAP1は活性化JNK3によって、リン酸化される。(5)JSAP1のSEK1/MKK4とMEKK1の結合領域を欠失させたタンパク質は、構成活性型MEKK1によるJNKカスケードを介したアポトーシスを阻害する。(6)JSAP1をMEKK1とともに神経系に分化したP19細胞に過剰発現させると、JNKカスケードのシグナル伝達の促進が認められる。(7)JSAP1に対するポリクローナル抗体を作製し、マウス成体脳において免疫組織化学的解析を行ったところ、海馬CA1、CA3の錐体細胞、大脳皮質ニューロン、小脳のプリキンエ細胞にその存在が認められる。(8)細胞増殖や分化のシグナル伝達に関与するMAPKカスケードの1つ、ERKカスケードのメンバーcRaf1(MAPKKK)とMEK1(MAPKK)と相互作用することにより、ERKカスケードの活性化を負に制御する。 すなわち、JSAP1は、JNKカスケードのスキャホールドタンパク質としてだけでなく、ERKカスケードを制御する多機能なMAPKカスケード制御タンパク質であると考えられる。このことはMAPKカスケード間のクロストーク、さらに神経細胞の分化、維持あるいはアポトーシスの制御機構を考える上で興味深い 2.JNKBP1の解析:(1)JNKBP1は、JNK3と同様に脳と精巣で多く発現が認められる。(2)MAPKKKであるMEKK1あるいはTAK1を培養細胞にJNKBP1とともに遺伝子導入すると、JNKカスケードの活性化の増大が認められる。 JNKBP1は、JSAP1と構造上異なっているものの同様のスキャホールド的な機能を保持している可能性がある。
|