研究課題/領域番号 |
10680751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
坂口 博信 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30162291)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | キンカチョウ / 歌学習 / シナブス可塑性 / 聴覚系 / コリナジック / 歌制御中枢 / 膜電位感受性色素 / オプティカル・イメージイング / 膜電位感覚性色素 / オブティカル・イメージイング / シナプス可塑性 / アセチルコリン / コリン作動性 / 雌雄差 |
研究概要 |
キンカチョウの雄の幼鳥は、歌学習の臨界期に父親の歌を学習する。この歌学習には、脳内の聴覚系と発声系の相互作用が、重要なはたらきをする。しかしながら、主な歌制御中枢であるHVCとRAにおいて、聴覚系からの直接の入力はなく、聴覚系は、主に、HVC-shelf、RA-cupと呼ばれるその周辺の領域に入力していることが知られており、聴覚系と発声系の相互作用がどこで行われているのか、不思議に思われていた。我々は、この疑問に対し、次の2つの発見をした。 1) 聴覚系からHVC,RAへの直接の入力を見つけた。すなわち、HVCとRAのコリン作動性入力が、哺乳類のマイネルト基底核と相同なVPから来ていること、さらに、VPは、Ovという哺乳類の内側膝状体と相同な聴覚中枢路の中継核からの入力を受けていることを明らかにした。 2) 脳スライス切片を用いた膜電位感受性色素による電気活動のイメージングを行い、HVCの中と外(HVC-shelf)を電気刺激したところ、HVC内の刺激はHVC-shelfに大きな電気活動を起こすけれども、HVC-shelfの刺激は決して、HVCの中に電気活動を引き起こさないことがわかった。このことは、HVC-shelfは、これまで考えられていたようなHVCの入力ではなく、出力であることを示している。すなわち、HVC-shelf領域は、聴覚系と発声系の相互作用に重要な領域であると思われる。 最近、Mello等は、HVC-shelfは、RA-cupを通じてOvに投射していることを明らかにした。すなわち、HVC→HVC-shelf→RAcup→Ov→VP→HVCというフィードバック・ループがある。この聴覚制御のコリン作動性入力を含むフィードバック経路が、小鳥の歌学習に、どのように機能しているか、興味ある問題である。
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