研究課題/領域番号 |
10680755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
森 泰生 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (80212265)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Ca^<2+>チャネル / ミュータントマウス / 運動失調 / 不活性化 / 活性化 / ポリグルタミン / G蛋白質 / 神経疾患モデル / 遺伝子欠損マウス / 変異 |
研究概要 |
電位依存性P/Q型Ca^<2+>チャネルは神経系において最も豊富に存在する。本チャネル形成α_<1A>サブユニット遺伝子の変異、tottering(tg)、及びleaner(tg-la)(欠神小発作、運動失調が特徴的)が引き起こす機能異常を検討した。急性単離プルキンエ細胞、及び組み換え発現におけるP/Q型チャネル電流は、強い行動異常を示すtg-laの方で、より大きな電流密度減少や不活性化の異常を生じた。また、運動失調変異マウス赤血球Rolling Nagoya(tg-rol)の原因変異をα_<1A>遺伝子に同定したところ、α_<1A>における第3繰り返し単位の電位センサー領域S4に、アルギニンからグリシン残基への置換を生じることが明らかとなった。組み換え体及び小脳プルキンエ細胞P型チャネル活性化の電位存性に、"gating charge"の中和に由来する変化を、本置換はあたえた。また、スライス標本プルキンエ細胞にも活動電位異常が観察され、tg-rol変異は神経細胞の情報統合機能を損なうことが明らかとなった。これらのことは、α_<1A>遺伝子に起因するヒト遺伝子神経疾患の発症機序を明らかにする上で、非常に重要な知見であり、我々は小脳精髄変性症6がた(SCA6)において、α_<1A>チャネルのポリグルタミン伸長が活性化、及び不活性化の電位依存性の異常の明らかにした。欠神小発作、運動失調症状を示すstargazerマウスが新規γサブユニット(γ_2)に欠損変異を有することが明らかになった。更には、GTP結合(G)蛋白質による電位依存性Ca^<2+>チャネル活性抑制の分子的機序の検討を行ったところ、Gβγがα_<1B>(N型)及びα_<1A>(P/Q型)の繰り返し単位I-II loopに、GαがC末端に結合することが明らかになった。この知見は種々の変異体における機能異常を理解する上で非常に重要である。
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