研究課題/領域番号 |
10680776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北田 一博 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263093)
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研究分担者 |
金田 安史 大阪大学, 医学研究科, 教授 (10177537)
芹川 忠夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (30025655)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HVJリポソーム / 遺伝子導入 / 疾患モデル / 遺伝子治療 / ミュータント / ポジショナルクローニング / ALYマウス / tremorラット / トランスジェニック動物 / LacZ |
研究概要 |
HVJリポソーム法を用いた生体遺伝子導入による新たな疾患モデル系を確立することを最終目標に揚げ、その基礎検討の結果として以下の知見を得た。 1.HVJリポソーム生体遺伝子導入法の技術の確立:発現ベクターpEBActNIIにLacZおよびGFP遺伝子を組み込み、HVJリポソームを作製した。このベクターは、EBウィスルの潜状感染装置を利用したもので、中枢神経系のような非分裂細胞で安定した成績が得られると期待されている。ラット新生仔1および3日齢の右大脳2mm下の部位に50μlのHVJリポソームを接種し、経時的に脳を摘出、固定後X-gal染色もしくは蛍光顕微鏡により観察した。その結果、投与部位においてLacZおよびGFPの発現が観察された。遺伝子改変動物の作製が困難な場合においても、本手法を用いることにより、中枢神経系疾患の解析系を確立することも可能と期待される。 2.HVJリポソームを精巣内投与した際の生殖系列への遺伝子伝達性:最近、リポソームを精巣内投与することにより、極めて高率にトランスジェニック動物を作出した事例が学会報告された。そこで、核内移行の効率を向上させたHVJリポソーム法によるトランスジェニック動物の作出を試行した。精巣内投与後4日目の精巣上体からDNAを抽出、PCR法にてLacZ遺伝子の存在を確認した。しかしながら、この時期の雄を雌ラットと交配し84匹の産仔を得たが、ゲノムへの遺伝子の組込みは認められなかった。 3.疾患モデル動物におけるポジショナルクローニング:HVJリポソーム法は遺伝子治療の手段としても有用であると期待されるため、ヒト難治性疾患のモデル動物の一つであるtremorラット(海綿状神経変性と欠神様発作を発症)の原因遺伝子をポジショナルクローニング法により同定した。その結果、aspartoacylase遺伝子の欠失が異常表型の原因であることが判明し、このミュータントはヒトのカナバン病と相同であることが明らかとなった。
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