研究課題/領域番号 |
10680784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
松田 潤一郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (60181731)
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研究分担者 |
小倉 淳郎 国立感染症研究所, 室長 (20194524)
滝本 一広 国立感染症研究所, 動物管理室, 研究員 (70280766)
鈴木 治 国立感染症研究所, 主任研究官 (70235935)
大島 章弘 国立感染症研究所, 獣医科学部, 客員研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マウス / 疾患モデル / トランスジェニック / リソゾーム病 / β-ガラクトシダーゼ / ガングリオシドーシス / 神経変性疾患 / 遺伝子治療 / ガングリオシドーシズ |
研究概要 |
酸性β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)遺伝子の異常に起因するGM1ガングリオシドーシスは主として神経症状を呈し乳児型、幼児型、成人型に分類され、さらに同じβ-Galの異常により骨軟骨症状を呈するモルキオB病が知られており、病型は多様である。私達は既に、β-Galノックアウト(KO)マウスを作成し、乳児型のモデルになることを明らかにしている。本研究では、GM1ガングリオシドーシスの病態解析、治療法開発を目的に、(1)KOマウスの病態解析、(2)KOマウスのコンジェニック化(C57BL/6)、(3)アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子治療、(4)ヒト正常型β-Gal遺伝子導入(TG)マウスの作出とKOマウスの回復実験、(5)ヒト変異型β-GalTGマウスの作出を行った。その結果、(1)脳内GM1およびアシアロGM1の急速な蓄積が1〜2週齢という早い段階より見られることが判明した。(2)KOマウスのB6コンジェニック系を作製したところ、脳のアシアロGM1の蓄積が交雑系に比べ約2割に低下し、合成系の系統差が示された。(3)組換えAAVベクターをKOマウスの大脳実質内に投与したところ、5週後にはβ-Gal活性が認められたが、長期的には治療効果は認められなかった。(4)ヒト正常型β-GalTGマウスを作成し、ヒトβ-GalトランスジーンをKOマウスに導入したところ、症状が回復し治療効果が得られた。(5)残存酵素活性の認められるヒト変異β-Gal遺伝子(成人型I51T、幼児型R201C)を導入したTGマウスを作成し、KOマウスとの交配によりこれらのヒト変異酵素のみを持つマウスを作出した。これらのマウスは神経症状の発症時期や重症度の異なるモデルとなるものと期待される。以上より、GM1ガングリオシドーシスの病態を示す多様なモデルマウスの作出と解析が進み、新たな治療法開発への利用が期待される。
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