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親密な対人関係における他者配慮・親和欲求と自己専心のジレンマ

研究課題

研究課題/領域番号 10710059
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関常磐大学

研究代表者

片山 美由紀  常磐大学, 人間科学部, 講師 (50265229)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード親密性 / 対人関係 / 介護 / 育児 / ジレンマ / 余暇 / 他者配慮 / 自己専心
研究概要

本研究でいう自己専心行動とは、他者への配慮無しに自己の関心事に専念し、あるいは自己の権利を追求する行動のことである。このような行動は個々人の成長および拡大につながる一方で、親密な対人関係の形成や維持にとってはマイナスにはたらく場合があり、対人間ジレンマの源泉となる。本研究ではこのような現象に関して研究をすすめた。
理論的知見をふまえながら実態把握のためのインタビュー調査、各種の資料分析、アンケート調査を行い、得られた知見の概要は以下の通りである。
まず、もし自身が望んだとしても、実際には自己の関心事に専念することが困難な人々の代表として、育児中の母親および高齢者介護を行う人々があげられた。これらの人々は、日々すべき事柄の性質上、自由に自己の関心事を追う時間と余裕を持つことが難しいのみならず、自身でも自由な時間(余暇)を持つことに罪悪感を持つ場合の多いことが示された。レスパイト(息つぎ)が成立しにくい土壌が、ケアを担う人々自身のなかに存在するのである。ただし、それをとりまく周囲の人々が、状況へのコミットメントをあえて避ける言動をすることが、レスパイト成立をさらに困難にしていることも指摘された。
家族そして育児や介護のような、他者への配慮の規範が優位の場面では、他者への視線を向け、他者への関心を持ち続けることが良きものとされる一方で、自身及び自身の関心事へ視線を向け、他者に関心を払わないことは一般に、無条件に禁止すべきものと判断され、自由な行動が自己規制されがちである。このような悪連鎖を断ち切るにあたって、セルフヘルプグループ等の集会における素直な自己表現と自己受容のプロセスが有効であることも明らかになった。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 片山美由紀(共著): "乳幼児の母親の不適応感と必要とされる余暇"日本社会心理学会発表論文集. 40. (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀(共著): "ケア者(乳幼児の母親)の自由なストレス対処を促進・阻害する個人要因"日本心理学会発表論文集. 63. (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "親密な小集団からの逸脱としての余暇活動-余暇の過ごし方に関する嗜好と本人の適応感" 日本社会心理学会発表論文集. 39. 150-151 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "痴呆症・寝たきり高齢者在宅看護における介護者の負担の構造-直接介護者にかかる「8段の重石」モデルの提唱-" 日本心理学会大会発表論文集. 62. 945-945 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "大学生及びバーンアウトの看護婦における仲間集団からの引きこもり-ソーシャル・サポートとしての"非干渉"の意義" 日本グループ・ダイナミックス学会発表論文集. 46. 178-179 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "Mobile telephone use and pager use in contemporary Japan;Communication network maintenance or privacy seeking?" 国際応用心理学会(IAAP)発表論文. 24. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "育児期における母親の他者配慮傾向と父親の自己専心傾向のジレンマ" 日本心理学会発表論文集. 63. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "The tendency of seeking enjoyment and intimate relationships during nursing period" ヨーロッパ心理学会発表論文. 6. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "パッケージ・性格の心理<改訂版>(共著)" ブレーン出版, (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片山美由紀: "高校生のための心理学(共著)" 大日本図書, (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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