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自己写真撮影法による自己表現の比較文化的研究-「オート・フォトグラフィー」-

研究課題

研究課題/領域番号 10710066
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関久留米大学

研究代表者

LEUERS Timothy Roland Scott (LEUERS Thimothy Roland Scott)  久留米大学, 外国語教育研究所, 外国人教師 (30301667)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード映像による自己表現 / 自己高揚 / Spectral Self / 心像的自己 / 比較文化 / ナラティブ
研究概要

この研究は、日本文化に関する文化心理学理論に対する批判から出発した。現在主流の北山忍らの相互依存的自己論(Markus and Kitayama,1991など)は、ブルーナーの「ナラティヴ理論」(Bruner,1990)を背景にしていると思われる。すなわち、ある文化・社会に属する個々人は、その社会で交換されている「ものがたり」や「言い回し」や世論などに影響されながら自分を語ることによって、社会的なアイデンティティーを構成していくという考え方である。そこで、これまでの研究においては言語的なデータだけ注目され、日本人は言葉で自己卑下し、自分の個性を言語的にアピールしないから、日本人には「独立的な自己」も「セルフ・エスティーム」(自尊感情)の欲求もないという極端的な結論がなされている。
一方、本研究は、アメリカ人と日本人の非言語的自己表現、すなわち「自分が誰であるのか」を表す自己撮影写真を比較した。そこで、日本人の自己撮影写真がアメリカ人のそれより操作されていて、肯定的だという事が証明された。このことは、アメリカ人は自分の言語的自己表現の中で自分のよい面を見せようし、自己高揚するのに対して、日本人は自分自身の視覚的自己表現の中でポーズをとったり自分のよい面を見せようとして表現を操作したりして自己高揚することを示していると考えられる。また、それぞれの社会の中心的なメディア・コミューニケーション・チャネルを考えると、アメリカの文化は言語的な「ナラティブ」(「聖書」哲学的思想、「ポリシー」)で伝わっているのに対して、日本人文化は環境と非言語的コミュニーケーション(「以心伝心」「家」「風土」「場」)で伝わっていると思われる。この理論は、メディアの文化差を示すことによって、アメリカと欧米文化の基本的な心理構造の共通性を強調しているものである。
去年収集したデータ分析を行ってから、今年8月に台湾のアジア・社会心理学会で研究発表して、現在論文執筆中。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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