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19世紀以降のドイツと日本における近代医療制度の確立過程に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710098
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関東京大学

研究代表者

市野川 容孝  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30277727)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード福祉国家 / 医師会 / 日本 / ドイツ / 健康保険 / ナショナル・ミニマム / 医療プロフェション / ナチス / 社会保険
研究概要

本年度は、第2次大戦後のドイツと日本の動向に焦点をあてて、研究をおこなった。両国の戦後は、まず出発点での制度的前提が大きく異なっていた。ビスマルクの施策によって19世紀後半に医療保険等の社会保険制度を確立し、さらにこれをワイマール期に充実させた、つまり第二次大戦前に福祉国家の枠組みをほぼ完成させていたドイツとは異なり、日本が福祉国家の体制を整え始めるのは大戦中のことである。厚生省の設立、また健康保険加入率が7割にまで達すること、これらは日本の場合いずれも戦時下でなされ、戦後も、この流れをさらにナショナル・ミニマム(日本国憲法第25条)を梃子に発展させることが第一の課題となった。他方、医師会の動向の点でも、両国は大きな違いを見せた。戦後の(西)ドイツでは、ナチスの「強制的同質化(Gleichschaltung)」に対する反省から、医師会にある程度の強い自治権が与えられたのに対し、日本では、GHQの方針も大きく作用して、医師会は任意加入のものにとどまり、その自治権、また医療政策におけるリーダーシップも(西)ドイツのそれに比して弱く、むしろ国(厚生省)が、様々な局面で強力なリーダーシップをとってきたと見てよい。この違いは、昨今の医療倫理(生命倫理)の諸問題に対する対処の仕方においても確認できるが、日本の今後の課題は、医療プロフェションの自立性とリーダーシップを何らかの形で強化していくことにあるだろう。この点については今後も研究・考察を深めていきたい。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 市野川 容孝: "社会的なものの概念と生命-福祉国家と優生学-"思想(岩波書店). 第908号. 34-64 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 市野川 容孝: "医療プロフェションの責務-ドイツの事例から" 学術の動向. 平成11年4月号(未定). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 市野川 容孝 他(共著): "優生学の歴史と現在" 講談社(現代新書)(未確定), (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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