研究課題/領域番号 |
10710120
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
廣嶌 忍 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (40262745)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 吃音 / 成人 / クラスタリング / 児童 / 原因 |
研究概要 |
近年、言い直しや言い誤り、単語間非流暢などが吃音と連続して生起する現象をクラスタリングととらえ、このクラスタリングが吃音幼児に有意に多いという報告が示された。しかし、このクラスタリングの検討はこれまでほとんど行われておらず、詳細は明らかではない。そこで本研究では、吃音児・者の吃音について、それぞれクラスタリングの生起頻度や特徴を明らかにし、その結果をもとに吃音の生成要因について考察することを目的とした。被検者は成人吃音者2名と同数の正常成人話者2名、ならびに学童期の吃音児3名と性別、年齢を一致させた正常話者児童3名であった。それぞれ被検者から自由会話を収集し、生起した吃音について症状を検討した。この検討にはサウンドスペクトログラフによる吃音の記述とともに、Postoma&Kolk(1993)および音声言語医学会吃音小委員会(1981)の症状分類を用いて症状のタイプを分析した。その結果、成人・学童ともに吃音者と正常話者との間にはクラスタリングの生起の点で有意な差があることがわかった。すなわち、吃音児・者の吃音は正常話者の非流暢発話と比較してクラスタリングが有意に多いことが明らかになった。しかし、本研究の被検者である吃音児・者それぞれの間には、すべてに共通するクラスタリングの特徴は見いだされなかった。これらの結果から、吃音者の吃音は学習の要因が関与すると考えられる潜在的修正(CovertRepair)である可能性を示唆することできた。
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