研究課題/領域番号 |
10710137
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
児美川 孝一郎 法政大学, 文学部, 助教授 (50287835)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 中学生 / 学力競争 / 高校受験 / 進路選択 / 高校多様化 |
研究概要 |
少子化の進行を客観的な背景とし、そこにさまざまな文化的要因が重なることによって招来している現在の「学力競争の弛緩」という状況に焦点を当てて、そうした状況下での中学生とその親による進路決定のプロセスが、これまでとはどう変容してきているのかを中心的に考察した。 (1)競争意識の分極化 早期教育やお受験に象徴されるように、依然として学力競争に積極的に「乗る」層が存在しているが、それは全階層に及ぶものではなく、階層的な「中の上」あたりに見られる現象へと収縮してきている。その下には、無理をしなくてもどこかの高校には入れるという「そこそこ感覚」の親子が広範に登場してきている。 (2)「応分主義」の意識 学力競争に「乗らない」層の意識は、必ずしも競争的な価値観から自由であるわけではない。むしろ、小学校段階にまで降りた「早期選抜」の結果を受容している傾向が強い。 (3)高校多様化への対応 学力競争に「乗る」層の意識は、当然普通科志向であり、進学重視に結びつくものでない限り、高校制度の多様化には消極的である。「乗らない」層の意識も、進路選択を先延ばしするという意味での普通科志向がいまだに強いが、なかには多様化を積極的に受けとめようとする意識も芽生えつつある。
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