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沖縄のシャーマニズムとエスニック・アイデンティティの形成に関する文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710151
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関日本女子大学

研究代表者

蛭川 亮子  日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (90297979)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードシャーマニズム / エスニック・アイデンティティ / 沖縄 / 宗教変容
研究概要

本年度は、沖縄のシャーマニズムとエスニック・アイデンテイティの関係を、シャーマニズムの「政治性」という観点からより深く考察した結果、以下のような結論に至った。
1.現在、沖縄におけるシャーマニズムの変容は、「沖縄(人)」というエスニック・アイデンティティの再構築の動きへと収斂している
2.シャーマニズムの今日的現象として、沖縄以外の地域でも、シャーマニズムがエスニック・アイデンティティの再構築を促すという現象がみられる
3.シャーマニズムがエスニック・アイデンティティの再構築を促し、そのエスニック・グループの象徴となるのは、シャーマニズムが従来の権力(為政者など)に対する反権力装置となりうるからである
1.に関しては、前年度、沖縄ではグローバリゼーションのもと、ユタ(シャーマン)によるシマ(村落)を超えた日本や世界、あるいは宇宙の中での「沖縄(人)」の古さ・正統性を主張する動きが進行していることを指摘した通り、一見沖縄のシャーマニズムはニューエイジ文化などの影響で新たな展開を迎えたようにみえるものの、その変容は実はエスニック・アイデンティティの再構築を目指すものということを明らかにした。また、2.に関しては、例えばモンゴルや旧ソ連、中南米などにおいて、民族主義の高まりの中、シャーマニズムの復権がみられるなど、シャーマニズムは今や沖縄以外でもエスニック・アイデンティティの再構築を促していることを指摘した。そして、3.において、世界システムの中でシャーマニズムが、少数民族などいわゆる「弱者」にとってエスニック・アイデンティティの再構築を図るための戦略的表象となっているのは、もともとシャーマニズムに、従来の権力(国家や為政者などいわゆる「強者」)に対する「反権力装置」としての側面が内包されているからであると結論づけた。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 塩月 亮子: "女たちの生活ポリティックス-沖縄村落の統合と葛藤の政治人類学-"生活学論叢. 第4号. 3-13 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 塩月 亮子: "巫女と遊女の統制史-明治期から昭和初期までの沖縄近代化政策をめぐって-"日本女子大学人間社会学部紀要. 第10巻. 133-145 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 塩月 亮子: "沖縄における死霊観の歴史的変遷-静態的社会人類学へのクリティーク-"国立歴史民俗博物館研究報告書. (印刷中) (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 塩月 亮子: "「聖なる狂気-沖縄シャーマニズムにおける憑依現象-」『癒しと救いの民俗学』"立川武蔵編、玉川大学出版部. (印刷中) (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 塩月 亮子: "「沖縄における尾類馬行列の歴史社会学的考察-<都市祝祭とセクシュアリティ>研究に向けて」『都市祝祭の100年』(日本生活学会叢書 第2巻)"和崎春日他編、ドメス出版. (印刷中) (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 蛭川(塩月)亮子: "沖縄シャーマニズムの現代的変容-民族的アイデンティティの宗教社会学的研究-" 民俗宗教の地平(春秋社). 221-234 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2021-11-19  

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