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「定」にみる平安時代国家の国家意志形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 10710157
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関奈良教育大学

研究代表者

今 正秀  奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (70294270)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード定 / 陣定 / 国家意志 / 議定 / 定(さだめ) / 平安時代 / 政務運営
研究概要

今年度は、第一に、昨年度に続き、本研究の基礎となる史料収集と整理に努めた。当初予定していた史料のデータ・ベース化までには至らなかったが、備品として購入した『大日本史料』を有効に活用し、平安時代を通じての関連史料を年次に従って収集・整理することができた。とくに、研究対象とした「定」については、複数の関係者がそれぞれ異なった立場から書き残した史料が存する場合があるが、そうした同一案件についての異なる史料を並列的に見ることにより、事象を多面的にとらえることが可能になった。
第二に、それら史料から、まず、「定」の実態を史料に則して解明することに努めた。具体的には、「定」の議案内容、そこでの参加者の個々の意見、個々の意見についての論議等々である。それによって、当該期の政府にとっての政治課題とそれに対する公卿の認識、前例を範としながらの現実への対応等の実態を明らかにすることができた。次に、個々の事例についての理解をふまえて、「定」の特徴とその変化を考察した。「定」の代表的な形態である陣定は、天皇から公卿への諮問機関であり、それ自体が国家意志決定の最終的機能を有するものではない。しかし、そこでは、個々の公卿らが前例に照らしながら、目前の事態への最も適切と考えられる対応を論じるのであり、そこから、当該期の支配層が政治課題をどのように認識し、それにどのように対応しようとしていたのかをうかがい知ることができる。公卿の意見からは、前例を範としつつ現実に対応することの実態を知ることができ、それらをふまえて、天皇と関白もしくは内覧、又は摂政が最終的に下した決裁から、公卿の意見がどのように反映されたのか、また、天皇と関白もしくは内覧、または摂政の独自の判断がどの程度織り込まれているのかなどを一定度明らかにすることが可能となり、当該期の国家意志形成過程の考察という研究目的を達成することができた。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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