研究課題/領域番号 |
10710163
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 新潟産業大学 |
研究代表者 |
小林 健彦 新潟産業大学, 人文学部, 講師 (40267670)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 戦国大名 / 情報 / 上杉氏 / 長尾氏 / 京都雑掌 / 朝延 / 室町幕府 / 京都之時宜 / 朝廷 / 越後上杉氏 / 公儀 |
研究概要 |
科学研究費補助金交付弟二年度にあたる本年度は、先ず前年度より実施してきた史資料よりの記事、とりわけ日記・古記録等、京都側権門勢家に依って筆録された史料中の記事の整理、分析作業に当たった。その結果、今回の研究では特に中部、東日本地域に拘る大名家の場合に於ける事例を多く取り扱ったが、従前小林が指摘した、「京都雑掌」(大名の被官人や僧侶)の動向がより鮮明となって来た。一言に情報と言っても、その対象となるものは多様であるが、戦国大名がその領域経営上必要としたのは、(1)分国内や近隣諸地域の動向に関する情報、(2)朝延、室町幕府、宗教勢力等、中央政界の動向に関するものとに大別される。ここで中心としたのは(2)についてのものであり、そこには当該期大名権力が内包とする諸問題を解決するための、上位権威利用の意図が見えかくれした。彼ら「京都雑掌」は、上流公家社会や幕府の実務官僚らとの交流を活発化させ、そこより朝延、幕府、諸大名についての多くの情報を得、それを「京都之時宜」として分国へ注進していたことが明確となってきた。又、京都側に対してその大名(国)への窓口が一元化されれば大名の領域支配、特に分国内の諸氏に対しては超然的な権力を確立することができた。このことには、個別大名家の事情にもよるが、東・西日本の地域差は余り見られなかった。今回の研究に於ける成果の一部は、『定本上杉謙信』(高志書院、平成12年5月刊行予定、共著⇒小林担当分はA4版見開き49頁)等で発表する予定である。
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