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米国占領下沖縄の地域形成と国家のくびき

研究課題

研究課題/領域番号 10710165
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関甲子園大学

研究代表者

一色 哲  甲子園大学, 人間文化学部, 講師 (70299056)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード沖縄キリスト教団 / 日本基督教団 / 琉球政府 / 沖縄タイムス / 愛隣園 / 移動病院車 / 沖縄群島社会福祉協議会 / 沖縄婦人クラブ / 沖縄諮詢委員会文化部 / 沖縄インターボード(OKIB) / 琉球キリスト教奉仕団 / 沖縄キリスト教協議会 / 農村復興事業 / 八重山農芸センター / 史料保存
研究概要

本研究では、昨年に引き続き戦後沖縄のキリスト教史と地域形成史に関係する資料収集をし、それぞれの史料のデータベース化を行った。(1)日本キリスト教団沖縄教区資料室(宜野湾)の史料について、史料管理者の教区関係者との話し合いを持った。同室に所蔵されている史料は極めて貴重ではあるが、初期の保存状況がほとんど破壊されている。そのため、当分の間、教団・教区が所蔵している以外の周辺的な史料から当たっていくように方針転換をした。
(2)沖縄公文書館では、昨年の沖縄キリスト教団機関誌『道しるべ』に続き、「財団法人沖縄キリスト教会に関する書類」18点と「財団法人沖縄キリスト教団に関する書類」134点を一部の制限を除き閲覧・複写した。これにより占領下での教会運営の実態と教会・信徒と琉球政府や軍との関係が次第に明らかになりつつある。また、琉球政府厚生局児童福祉課による「社会福祉事業に関する書類保母育成科設置関係(キリスト教学院短期大学)」も閲覧・複写することができた。公文書館では随時米軍関係資料の閲覧を行っている。
(3)占領下沖縄の地域社会の実態を知るために公文書館や沖縄県立図書館所蔵の新聞史料、本年度は主として『沖縄タイムス』を1957年まで通読し、「暗い谷間の時代」と呼ばれる頃の社会史の発掘を行った。また、本年度は石垣市でも史料調査に着手し、石垣市立図書館で『八重島タイムス』『南琉日々新聞』『八重山毎日新聞』などを閲覧し、必要記事を複写した。沖縄本島分を合わせて複写した記事の総数は約900点にのぼる。
これらの史料からは、米国キリスト教児童福祉会の援助で立てられた愛隣園(戦災孤児たちを収容した養護施設)や移動病院車と診療所、幼稚園、養鶏事業等を通して協会が地域社会と密接な関係を持ったことが分かった。また、沖縄群島社会福祉協議会や沖縄国際婦人クラブ等との密接な関係と、戦後沖縄の社会制度が整っていく過程でキリスト教系の諸団体がそれらの包括的組織に埋没してゆく姿が浮き彫りになった。また、戦後早い段階で占領軍と密接な関係を持っていた沖縄の協会が、占領体制が固定化し、土地問題が次第に激化する1950年代になると、地域住民との関係が微妙な物になっていく。かかる時代状況にあって、なお米国の良心に賭けようとする沖縄の教会の姿勢にその限界を見た。
以上の調査をふまえて、キリスト教史学会第50回大会(1999年9月17日)において「米国占領下沖縄の地域形成とキリスト教ネットワークの研究-戦後復興事業を中心として-」と題して研究発表を行った。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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