研究課題/領域番号 |
10710188
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊木 俊朗 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (20282543)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 続縄文文化 / オホーツク文化 / 土器型式編年論 / 北海道 / 東北 / サハリン |
研究概要 |
本研究では続縄文時代の土器群の広域編年を、併行する東北地方及びサハリン以北の土器群を含めて構築することを目的としている。以下、本年度の成果を北海道とサハリンに分けて述べる。北海道地域では前年度にデータ収集を行っていなかった釧路地域を主体として調査を行った。その上で、続縄文時代前半の北海道東部における、釧路地域と網走地域の土器群を対比し、背景にある人の動きを考察した。その結果、続縄文時代前半の北海道東部では、a.はじめは釧路地域(興津式土器)と網走地域(「元町2式土器」)で地域差があり、かつ東西でも地域差がある b.次の時期には釧路(下田ノ沢I式土器)・網走(宇津内IIa式土器)地域差は目立たなくなる c.さらに続く時期では再び釧路(下田ノ沢II式土器)・網走(宇津内IIb式土器)間の地域差は拡大する、という変遷が認められた。これまで、続縄文前半期の北海道東部においては、釧路/網走地域という地域差が存在することは知られていたが、その地域差は通時的に変化しない固定的なものと考えられていた。本研究ではそれら釧路/網走間の地域差が時期によって変動することを明らかにした。このことは、これまで「北海道東部」として一くくりにされてきた当該期の地域性、具体的にはヒト・モノ・情報のコミュニケーションのあり方が、北海道東部地域内においても細かく変動していることを示すものである。一方、サハリン以北の地域に関しては、東北大学・東京大学・国立歴史民俗博物館の所蔵する東北地方およびサハリン資料のデータ収集を継続した。これまで実体の不明瞭であったサハリンの土器群、特に鈴谷式土器、江の浦A式土器について、ある程度の見通しが得られた。前年度の研究対象が北海道地域では続縄文時代後半、サハリン以北ではアムール河口部であったので、本年度の成果とあわせると東北・北海道・サハリンの広域編年の見通しが一応ついたことになる。
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