研究課題/領域番号 |
10710190
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
竹廣 文明 島根大学, 汽水域研究センター, 助手 (60252904)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 黒曜石 / 隠岐 / 原産地 / 旧石器時代 / 縄文時代 / 石器 |
研究概要 |
平成11年度は、下記1.および2.の研究をおこない、以下の研究成果を得た。 1.隠岐産黒曜石原産地の調査 平成10年度の調査によって加茂産地におい黒曜石露頭の周辺に、先史時代黒曜石採取にかかわる石器、石片類の密集地を発見していたが、今年度継続して分布調査を実施し、黒曜石原石をもとにした石器製作の過程で生じた石核、剥片類を発見でき、昨年度発見の槍先形尖頭器の未成品と考えられる資料もあわせ、加茂原産地における石器製作の工程の内容が明らかになってきた。今後は、本格的な調査により、その利用時期を明確にしていくことが課題となった。 2.隠岐産黒曜石利用遺跡の調査 山陰地域を中心に、黒曜石製石器出土遺跡の資料の実見による調査研究を進め、島根県鹿島町佐太講武貝塚と同頓原町板屋川遺跡については出土石器全体の石材利用についての調査を実施した。また、昨年度調査を実施した美保関町サルガ鼻燈台洞窟遺跡の出土黒曜石について蛍光X線分析を依頼し、産出地のデータを得た。 これらの調査の結果特筆される成果として、縄文時代の隠岐産黒曜石の利用状況について、縄文時代前期段階において隠岐産黒曜石の利用が各遺跡で高まっていること、縄文時代後期もしくは晩期以降、黒曜石の利用は継続されるが、これとともに瀬戸内産サヌカイトの山陰側への流入が高まってくる現象が認められ、黒曜石とそれ以外の石材との関係も含めて、石材利用の時期的変遷を明らかにすることができた。 以上の研究成果については、論文、研究発表により一部の成果を公表した。
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