研究課題/領域番号 |
10710201
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山本 真吾 三重大学, 人文学部, 助教授 (70210531)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 漢字仮名交り文 / 文体 / 片仮名 / 石山寺 / 東大寺図書館 / 七喩三平等十无上義 / 雑筆集 |
研究概要 |
国語史研究の上で、従来「谷間」と称されてきた時代の一つが、九・十世紀の国語の実態である。平安時代にあって、この時代は、同時代書写の国語資料が不足しており、この欠落を埋めるために調査が開始された訓点資料の他は、ごくわずかの仮名文資料しか知られておらず、依然停滞感が濃厚である。九世紀の漢字仮名交じり文資料として、「東大寺諷誦文稿」が比較的早くに学界に紹介されたが、これ以降は同類の文献がまとまって紹介されたものはなく、平安時代の、仮名文・訓点資料・記録資料に比して、著しく研究が立ち後れていた。 今回の研究は、この現状を打開すべく、その書名やごく一部の引用文のみが学界に認知されていた文献及びその関連資料を広く見渡して、国語資料として活用すべく、研究を開始した。 前年度は、奈良・東大寺図書館、国立博物館、京都・高山寺、仁和寺、大津・石山寺、神奈川県立金沢文庫等の古刹・古文庫等に実地調査を進め、当該文献の原本調査を軸にそれぞれの書誌・文字表記・語彙語法等に関する情報収集に努めてきた。 本年度は、これを承けて東大寺図書館所蔵「七喩三平等十无上義」一巻、大津・石山寺蔵の「不動念誦次第」一巻、奈良国立博物館所蔵「雑筆集」(教化部分)五巻などに限定し、重点的に調査を進めた。それぞれに難読部分が多く存在し、未だその全文を公表する段階には至っていないが、そのための基礎作業としては、この二年度でほぼ終了することができ、また今後の研究遂行上、九・十世紀における漢字仮名交じり文の特性を解明するためには、この文献群だけでなく、同時代の訓点資料や平安時代後期以降の漢字仮名交じり文にも眼を向けることが必須であるとの展望を見出すに至った。
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