研究課題/領域番号 |
10710203
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 国立国語研究所 |
研究代表者 |
田中 牧郎 国立国語研究所, 国語辞典編集室, 主任研究官 (90217076)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 情意述語 / 形容詞 / 動詞 / 統語構造 / 統語情報 / 意味記述 / 古代語 |
研究概要 |
古代日本語語彙論の先行研究をもとに、使用頻度や意味分野を考慮して、基本的な情意形容詞、情意動詞80語を抽出し、分析対象の語に定めた。80語の内訳は、形容詞と動詞とが対を構成するもの20対40語(悲シ・悲シム・嬉シ・喜ブ等)と、形容詞のみのもの20語(口惜シ、イトホシ等)、動詞のみのもの20語(誇ル、耽ル・誉ム等)とした。これ以外に、比較の意味で、状態述語(繁シ・繁ル等)、感覚述語(苦シ・苦シム)、評価述語(アサマシ・メデタシ等)から、約20語を選定して対象に含めた。 これら対象となる情意述語等の一語一語について、古代の和歌資料・和文資料・漢文資料・漢文訓読資料・和漢混淆文資料の代表的文献から、用例を検索し、パソコン上に蓄え、分析研究の基礎となる用例データベースを作成した。 このデータベースをもとに、各用例について、述語が関与する統語情報として、1主体の人称、2述語の形式、3対象語の形式、4対象語の内容、5共起語の形式、6共起語の内容、7文脈の照応、等の情報を付与した。一通りの情報付与が完成した述語については、各情報を総合して、述語が関与する統語構造とそこに盛り込まれる情報を整理して、用法の分類や意味の記述を試みた。その成果を、主として述語別に個別の論文として公表した。 現在は、個々の述語の問題としてだけではなく、情意述語全般に通じる一般的な問題として、統語構造や統語情報のありよう解明し、意味用法の記述に役立つ一般的な原理を構築しつつあり、いくつかの口頭発表を行って批判を仰いでいるところである。この成果については、平成12年度以降、順次論文として公表していく予定である。
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