研究課題/領域番号 |
10710225
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大田 信良 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90233139)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヘミングウェイ / ロレンス / 消費 / セクシュアリティ / アングロ・サクソニズム / トルコ / ウルフ / ショッピング / ナショナリズム |
研究概要 |
1.論文「ヘミングウェイとギリシャ・トルコ戦争」(『英語青年』1999年8月号303-5) 本論は、K・リンの研究同様ヘミングウェイが表象する母子像を取り上げ、それをギリシャ・トルコ戦争と関連付けて解釈した。第一次大戦と区別されるべきこの戦争は、ヘミングウェイのほかのテクストにおいて地政学的設定を変えてはいるが何度も反復されている。ギリシャとトルコの対立という一見ローカルな戦争は、このアメリカ作家の個人的な心理ではなくヨーロッパを含むよりグローバルな政治的脈絡を指し示していることを論じた。とりわけ、『われらの時代』の語りの構造、すなわちアメリカの読者にイギリス人の語り手が消費されるべきイメージとして差し出す戦争の文化表象を問題にした。 2.口頭発表 「ロレンス、『フリーウーマン』、セクシュアリティの歴史」(「日本ロレンス協会第30回大会公開シンポジウム」) 本発表は、19世紀以降とりわけ第一次大戦前後のセクシュアリティの歴史の脈絡で、ロレンスを解釈した。具体的には、『フリーウーマン』における「アナルコ・フェミニズム」の言説との連関において、レズビアン的衝動を密かに表象する『虹』最終章および虹のヴィジョンは、ロレンスの'sexual dialectic'すなわち反ホモセクシュアルなロレンス像を強力に転倒させるものではないか、という問題提起をした。ただし、結婚・出産といった生産活動を拒否するアーシュラの言説は、文化的消費への衝動につながるものである、換言すればロレンスのテクストにおける反異性愛的な志向が、社会・政治的脈絡からまったく切り離されたものではないことを主張した。
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