研究課題/領域番号 |
10710245
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
その他外国語・外国文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 晃次 大阪大学, 言語文化部, 講師 (90291450)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 言語政策 / 言語接触 / 社会言語学 / 語彙論 / 規範化 / 朝鮮語 / 朝鮮族 / 延辺 / 規範語 / 朝鮮語新聞 / 朝鮮文化語 / 分断国家 |
研究概要 |
第1に、1990年代中国の朝鮮語規範化の動向を規範化文献の刊行状況と『中国朝鮮語文』誌などの記述を基に再構した。『朝鮮語辞典』(全3巻)の刊行・中国朝鮮語査定委員会の動向・『朝鮮語規範集』の修正補充の3点に注目し、本研究の中心的対象であり、とりわけ規範の大部分を占める語彙規範についてその異同を述べ、中国朝鮮語の基準が従来の周恩来総理の指示に基づく「ピョンヤンのことば」から朝鮮民族全体にシフトしたことを指摘した。 第2に、中国の少数民族全体から見て、漢語に取り囲まれた状況の中で二言語教育(実際には「外国語」を含めた三言語教育)が比較的成功しているといわれる朝鮮族の朝鮮語語彙にすら問題点が存在することについて、次の2点を中心に明らかにした。 まず、中国発行の四大朝鮮語新聞(『延辺日報』・『吉林新聞』・『黒龍江新聞』・『遼寧朝鮮文報』)と『中国朝鮮語文』誌を主要資料とし、語彙規範化の問題点を考察した。その結果、語彙規範には義務性があるものの、それは主として書き手の「自覚」・「義務感」によっており、規範化への努力が続けられているにも拘らず、規範の遵守が期待されるべき四大朝鮮語新聞においてさえ、語彙規範で「非標準的」とされているものはもちろん、語彙規範では言及のない様々な非規範的語彙が日常的に使用されていることを示した。 次に、これまでの規範化の中心課題であった漢語との言語接触から生じた語彙に加え、韓国との交流が盛んになるにつれて韓国の朝鮮語の威信が向上したこともあり、韓国から流入する外来語に関して切実な問題が生じていることを、実例を挙げながら明らかにし、外来語に関するいくつかの問題を提示した。
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