研究課題/領域番号 |
10710254
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
若林 茂則 群馬県立女子大学, 文学部, 助教授 (80291962)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 言語習得 / 格 / 極小理論 / 第二言語習得 / 素性 / 機能範疇 / 転移 / 誤まり |
研究概要 |
本研究の目的は、極小理論(Chomsky、1995)の枠組みで言語習得のしくみを明らかにすることにある。本年度は日本人英語学習者の主格および対格の使用についてデータを集め、Wakabayashi(1997)のモデルを検証してきた。 英語の代名詞格の第二言語習得についての研究はほとんどない。本研究では2種類のデータ収集を行った。1種類は、日本人英語学習者約50人の発話データである。ここでは、代名詞格の誤りはごく初期に少数しか見られなかった。もう1種類は、英語を習いはじめたばかりの中学1年生23人による文法性判断タスクである。このデータから1)「彼が彼女が好きだ」のように、与えられた日本語の目的語に主格助詞「が」が使用されている場合、「彼が彼女を尊敬している」「彼が彼女を好きだ」など、与えられた日本語文の目的語に対格「を」がついている場合と比較すると、He likes she のように、目的語に主格代名詞を使用した文を正しいと判断する場合が多いこと、2)動詞の種類に変わらずHim likes her のように、主語も目的語も対格で表したものを正しいと判断する場合があることがわかった。 1、2)の誤りは、それぞれ、転移による誤り、および、発達的誤りであると考えられるが、Schwartz&Sprouse(1994)、Vainikka&Young-Scholten(1994)、Eubank(1994)らのモデルでは両方を説明することは不可能であり、Wakabayashi(1997)のモデルではそれが可能であることも明らかにされた。 研究成果の発表は現在準備中である。
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