研究課題/領域番号 |
10720049
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
金井 利之 東京都立大学, 法学部・政治学科, 助教授 (40214423)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 空間整序 / 都市計画 / 国土計画 / オランダ / 国土復興 / 国土配置 / 企画室 / 自治体 / 広域空間政策 / 都市化政策 / 制限政策 / 広域公共団体 / 広域問題 / 環境アセスメント / 空間計画 |
研究概要 |
第1に、日蘭両国の空間整序(ruimtelijke ordening)が、先進諸国の中でも例外的に全国土をカヴァーするのは、両国の空間(国土)が狭隘であるという与件とともに、ドイツの影響(Raumordnung)を受ける一般的知的環境、第二次大戦による国土破壊・国土復興の必要、植民地の喪失による国内解決重視、などが指摘できる。第2に、他方で、戦後復興がオランダでは住宅不足として顕在化したため、住宅供与→都市建設(都市計画・ニュータウン)→住宅(人口)国土配置という観点から、都市計画と国土計画とが一体化した(住宅空間整序省→住宅空間整序環境省)。日本では、経済復興問題として顕在化したため、経済計画の空間版としての国土計画が成立し、戦災復興都市計画・区画整理・住宅供給とは切断された。このため、住宅供給・都市計画(建設省・日本住宅公団)は、国土計画(経済企画庁→国土庁)と接合されなかった。オランダでは、ニュータウン開発地の指定を巡って自治体間競争が起きるのに対して、日本では、新産業都市指定など工業団地の開発を巡って生じるのも、この反映である。逆に、オランダでは、理論的には企画室(planbureau)による側面計画(facetplanning)として一括されるが、経済計画と国土計画・都市計画の関係は密接ではない。第3に、戦前からの制度遺産として、オランダでは自治体レベルでの都市拡張計画(郊外型ゾーニングと新興住宅開発)が定着していたが、日本では自治体レベルでの空間整序は、部分的な区画整理をのぞいては定着せず、ゾーニングは国によって行われた。このため、オランダでは自治体を結節点として国土計画と都市計画が結合したが、日本ではそうはならなかった。
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