研究概要 |
本研究の目的は,創業の促進を目的とする公共政策(以下,創業支援政策)の理論的基盤を構築することにある.そのためには,創業を経済行為として定式化するとともに,経済主体としての創業者の行動パターンを定式化し,その妥当性を実証的に検討する必要があると考えた. そこで,本研究では,創業者を企業の設立(創業)を通じて自らが認識する経済的機会の実現を図ろうとする経済主体と考えた.そして,創業を個人的な知識創造のプロセスであると見なし,そのプロセスにおいて発生する機会費用を含む知識創造コストをリスクの創業に伴うリスクの源泉と考えた.そして,潜在的創造者は,知識創造コストを最小化するように創業を意思決定すると仮定した. 以上のようなラインでの仮説群を検討するため,本研究では1999年3月に技術忘向型ベンチャービジネスの創業者に対するアンケート調査を実施した.その集計結果から得られた結論としては,仮説の多くは若千の修正こそ必要であったが,おおむね支持できるというものであった.
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