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環太平洋諸国及び主要先進国の貨幣需要関数の安定性に関する実証比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 10730041
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 財政学・金融論
研究機関神戸大学

研究代表者

宮尾 龍蔵  神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (40229802)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード貨幣需要 / 共和分 / 構造変化 / 環太平洋諸国
研究概要

本研究課題は、主要先進国および環太平洋諸国の貨幣需要関数の安定性の問題について包括的な実証比較研究を行い、そこから各国の金融政策の有効性、あるいは金融政策の運営目標についての示唆を得ることを目的としている。昨年度に行ったデータ整備といくつかの予備的な検証を踏まえ、今年度は、それを拡張する形で、対象各国の狭義のマネーサプライ(M1)に関する需要関数の安定性の問題について、さらに検証を進めた。
今年度の研究成果の中で、とりわけ興味深いと思われるのは、アメリカのM1需要関数の安定性に関する実証結果とその解釈についてである。昨年度の予備的な分析で、通常定義されるM1に対して、安定性のテスト(Gregory-Hansenが考案した構造変化を容認する共和分テスト)により、利子弾力性にシフトが生じた可能性を示した。しかし、そこで検出された構造変化の結果を、実際の金融自由化による制度変更と関連づけて、どう解釈すべきかについては未解決であった。そこで、M1の構成要素の中でも、特に実際の金融自由化と関係する「その他の預金」項目に着目した分析を行った。「その他の預金」項目とは、決済機能を持つと同時に利子も賦与される預金勘定で、80年代前半の規制緩和により全米で広がったものである。この「その他預金」項目を通常のM1の定義から取り除いて、より純粋な決済機能のみに焦点を絞ったM1需要に関して安定性のテストを行ったところ、明らかに80年代前半(1984年)に弾力性のシフトが検出された。実際のグラフからも、シフトが同時期に起こったことが直感的に理解され、実際の金融自由化のエピソードと整合的な結果を得ることができた。
「その他預金」の項目に着目して貨幣需要関数のシフトの有無を検証すること自体、本研究独自の新しい試みであり、また分析結果を実際の制度変更と関連づけて解釈できたことも重要な成果であると考える。実証結果の頑健性をさらに検証し、その成果を論文として早期に公表したい。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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