研究課題/領域番号 |
10730046
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
谷地 弘安 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (10293169)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 中国 / 日本企業 / 営業 / マーケティング / 合弁企業 / 中国市場 / 営業組識 / 取引 |
研究概要 |
本年度の研究では中国進出企業のほとんどが現地企業との合弁方式であることに注目し、現地営業組織形成上の問題を検証した。過去の研究でも、合弁のメリットとして現地企業からのマーケティング知識やノウハウの獲得が挙げられてきたし、進出企業の多くがそれを期待していたことが判明している。しかし、そのメリットを企業が達成するには多くの問題・条件があることを明らかにした。(1)相手企業からの販売知織流入が投資企業の販売戦略策定に貢献し、それにもとづいて販路拡大オペレーションの展開がスムーズになるという知識獲得メリットの問題。1つに合弁相手を候選定するなか、知識を保有する有能な企業の識別は難しい。2つに、現地に有能な企業が存在することが前提である。3つめに、知識の移転は人的コミュニケーションをつうじてなされるから、それを担当する窓口の人材にはコミュニケーション能力が必要となる。(2)すでに自社販売組織やチャネルを形成している合弁相手に販売を委任することで現地市場での販売展開スピードを高めるアクセス・メリットの問題。1つに製品販売に合弁相手が十分な努力を注いでくるかに疑問がある。実際に販売を行う合弁相手の営業マンは有限の資源だからである。2つめに販売を委任するといっても現地法人や投資企業としては生産のために販売情報が必要となる。そのために投資企業や現地法人は情報が入ってくるような仕組みづくりや働きかけを行わねばならない。(3)知識をもった相手企業の人材が現地法人で活動する、つまり知識が利用されることが結果として投資企業の現地での販売展開に貢献する知識利用メリットの問題。1つに有限な資源のなかで、有能な人材を移管してくるかどうかが疑問となる。2つに相手企業にとって有能な人材であっても、投資企業の戦略方針と合致しなければかれらを対象とした教育・指導という働きかけを行わねばならない。在中日系企業での販売組織では以上の問題が発生しており、この問題への対処の進捗が最終的な販売成果に影響していることが統計的に検証された。本研究の成果は、業績不振に直面する在中日系企業の販売組織問題の所在と対応ポイントを明らかにしたことにある。
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