• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

組織間関係の視点による第三セクター経営の戦略

研究課題

研究課題/領域番号 10730059
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 経営学
研究機関札幌学院大学

研究代表者

河西 邦人  札幌学院大学, 商学部, 助教授 (40295879)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード第三セクター / コーポレート・ガバナンス / 組織間関係 / 経営戦略 / 統合と分化 / 価値連鎖 / 価値システム / 制度 / 統合 / 分化 / 価値観共有による経営
研究概要

自治省の調査では、全国の公私混合体組織である第三セクターの約7割は赤字という結果になっている。第三セクターは財政赤字に悩む国と地方自治体の切り札として、民間企業の資金や経営ノウハウといった民間活力を利用しようと1980年代の行財政改革の中で数多く設立されただけに、第三セクターの赤字が地方自治体の財政を圧迫している状況は非常に問題である。第三セクターの経営に関して事例研究を行ったところ、赤字を出している第三セクターには、(1)利益の出にくい経営目標の設意、(2)コーポレート・ガバナンスの失敗、(3)地域社会という制度からの制約による市場原理の不徹底、(4)経営者の能カ不足、などの共通点が見られた。これらの特徴は地方自治体と民間企業によるジョイント・ベンチャーというきわめて運営の困難な組織間関係から生じたと考えられる。ジョイント・ベンチャーはより同質的といえる民間企業同士のものであっても経営の困難さから数年で解消されるケースも多く、組織目標、組織文化、経営システムなどが異質な地方自治体と民間企業の共同出資によるジョイント・ベンチャーの経営はいっそう困難なのである。赤字の第三セクターへの対応は、第三セクターの清算と再建ということになる。第三セクターの清算はガバナンスの不在、公共性の強さ、政治的問題から好まれない意志決定であるが、埋没原価を恐れず清算したほうが出資者の傷を広げずにすんだと思われるケースが多かった。再建に関しては、出資者の中で第三セクターが存続することでもっともメリットを受ける組織がリーダーシップを取って再建するケースが多い。再建に対してリーダーシップを取る組織がガバナンスを行うことで、組織間関係から生じる様々な葛藤を処理し、第三セクター組織の目標、経営システム、経営資源と組織能力を統合し、適切な経営戦略の策定と実行によって第三セクターの経営を再建していくのである。第三セクターの経営再建に対してリーダーシップを取る組織は地方自治体であろうと民間企業であろうと、第三セクターの経営者に経営能力のある人間を据えなければならない。そして、再建のリーダーシップを取る組織は第三セクターの経営に関するチェックを中心に行い、第三セクターの経営陣に対して第三セクターの経営に関する権限を委譲し、経営責任を負わせなくてはならない。また、第三セクターを中心とする価値システムとしての価値算出を高めるため、他の出資者と第三セクターの支援に関して役割分担を明確に行う必要があろう。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 河西邦人: "北海道スキー場の生き残り戦略"札幌学院商経論集. 第16巻3・4号. 53-142 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 河西 邦人: "価値観の共有による経営" 札幌学院商経論集. 15巻3号. 37-64 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

URL: 

公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi