研究課題/領域番号 |
10730068
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
岸 牧人 大分大学, 経済学部, 助教授 (90264324)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 監査 / 保証 / 監査証拠 / 会計士 / 保証業務 / 監査保証 / 心証 / 合理的論証 / 監査意見 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまでの監査論における保証概念を再考し、隣接諸概念、特に監査証拠論との関連を研究したうえで、監査保証論の対象領域を確定することを主たる目的とするものであった。そのため、平成10年度においては、論理学的アプローチによる監査保証論への接近を試み、その結果、監査における論理進行を、命題-証拠-論証-結論という思考と、命題-証拠-推論-信念という思考が同時並行的に行われ、監査の最終局面において監査人の心証という形に集約されることを確認した。このことは、従来の監査論において未定義であった保証概念を、監査人の思考と心証形成の論理から説明し、監査人の言明として発行される監査意見の確信度としてとらえることを可能としたところに意義がある。また、平成11年度においては、監査実施論および監査報告論における保証機能についての研究を行った。監査実施論においては、リスク・アプローチの中心的課題である内部統制の有効性評価と、実証性テストによる証拠の収集・評価過程において保証生成の論理を探求し、監査保証論の視点から監査実施論の再体系化を試みた。また、監査報告論においては、既存の監査報告書論を批判的に考察し、監査保証が監査報告書においていかに機能すべきかについて研究を行った。さらに、本研究中に日米において急速に進展した会計士保証業務の展開に関して、監査保証論あるいは監査証拠論の観点から考察することができたことも大きな成果といえる。監査保証論の研究成果は、会計士が行う業務の一環としての保証業務について、一定の論理的基礎を提供しうるものであり、ここに監査の実務的側面と理論的側面の接点を見出すことは今後の監査論の新機軸となるであろう。
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