研究課題/領域番号 |
10730069
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 岡山商科大学 (1999) 大分大学 (1998) |
研究代表者 |
森本 和義 岡山商科大学, 商学部, 助教授 (00239691)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | FA化(工場自動化) / マシン・レート / 活動基準原価計算 / 製品系列別直課 / 標準原価計算 / プロツェス原価計算 / 活動基準原価計算(ABC) / 活動基準原価管理(ABCM) / 補償貢献額計算 |
研究概要 |
今回の研究では、日本企業の実態調査および欧米の文献研究を通じて、革新的な製造間接費の管理手法を探求することを主目的としている。まず前者の実態調査に関しては、FA化(工場自動化)が進んでいる幾つかの工場を実際に訪問し、製造工程を観察ならびに聞き取り調査を実施した。その調査結果として、確認できたことは次の4点である。第1に、巨額の設備投資を要する半導体産業では、直接労務費はもはや独立した原価項目とはみなされず、製造間接費に含められていた。第2に、材料費および直接労務費の割合が極めて低い半導体産業では、増大する製造間接費(加工費)の配賦計算に工夫を凝らしていた。ある工場では、エンジニアと連携して工程ごとに緻密なマシン・レートを算定し、それを配賦基準として製品の全部原価を計算していた。またある工場では、活動基準原価計算(ABC全部原価計算)を導入して製造間接費の正確な配賦計算を行っていた。第3に、FA化が進展しているが材料費の比重が大きい記録メディア製造工場では、直接原価計算を利用した上で、機械の減価償却費のような固定費(製造間接費)を製品群(製品系列)に直課していた。第4に、訪問した全ての工場で標準原価計算が実施され、しかも工場の原価計算担当者達は、エンジニアとの協力関係を前提とした上で、標準原価計算の原価管理への役立ちを主張した。この点については、日本企業では元々標準原価計算の採用は少なかったという従来からの指摘を考えると、興味深い点である。他方で、後者の文献研究に関しては、まず平成11年5月に論文「活動基準原価計算(ABC)に関する覚書」を発表し、また同年6月には、学会機関誌「会計」に論文「間接費の配賦に関する一考察」が掲載された。なお、アメリカの活動基準原価計算とドイツのプロツェス原価計算との比較研究に関しては現在進行中であり、平成12年度の学会で研究発表する予定である。
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