研究課題/領域番号 |
10740035
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
廣瀬 進 佐賀大学, 理工学部, 講師 (10264144)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 写像類群 / 3次元多様体 / 有限表示 / complex of curve / 3次元ハンドル体 / 組み紐群 / 擬アノソフ同相写像 / fillする2曲線 |
研究概要 |
向き付け可能な閉曲面上の向きを保つ同相写像のなす集合を考え、さらにそのイソトピーによる同値類のなす集合を考えると、そこには自然に群としての構造が入る。この群の事を写像類群と呼ぶ。この群は、リーマン面のモジュライ空間の基本群であることから、代数幾何学と深い関わりを持ち、また、Heegaard分解や、写像トーラスによる閉3次元多様体の構成を通じて、3次元多様体論とも深い関わりを持っている。本年度は、写像類群の表示に関する研究を行なった。 写像類群が有限個のDehn twistによって生成されること(Lickorish)、有限表示できること(McCool)は約40年前から知られていた。実際の有限表示は、HatcherとThurstonにより単連結性の示されたcut system複体への写像類群の作用を調べることにより、1980年代にWajnrybにより求められた。さらに、近年になって、Wajnrybの表示を基にsymmetricな表示がGervaisによって求められた。しかしながら、cut systemの単連結性の証明にはギャップがあり、写像類群の表示を求める他の方法を開発する必要があった。一方、Harveyにより、complex of curveが導入された。それは、閉曲面上の単純閉曲線のイソトピー類を頂点とし、互いに交わらずアイソトピックでもない曲線に対応する頂点の集まりに対して複体を貼ることによって構成される複体である。この複体が単連結であることが示されており(Harer)、本年度は、その複体への写像類群の作用を調べることにより、閉曲面の種数に関して帰納的に写像類群のGervaisのsymmetricな表示をあらためて求めることが出来た。なお、この手法は、昨年度、3次元ハンドル体の写像類群の表示を求めるのに用いた方法と同様な方法であり、これより、3次元ハンドル体の写像類群の表示をより明快なものにすることも期待される。
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