研究課題/領域番号 |
10740064
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡田 靖則 千葉大, 理学部, 助教授 (60224028)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | sweep out法 / 線形偏微分方程式 / 特異性伝播 |
研究概要 |
波動方程式で代表されるような双曲型の微分方程式の、解の特異性の伝播問題は、超局所解析学を用いた研究によってその構造がほぼ明らかになった。しかし、例えば光の回折現象は、従来の超局所解析では説明されず、また、回折現象は必ずしも双曲型でない方程式に関しても観察される。この現象を説明するには、多重特性的な方程式に対して第2超局所解析と呼ばれる手法を用いることが有効であるが、第2超局所解析の理論そのものは発展途上にあり、これまでそれぞれの問題に応じて複数のやり方を用いて導入されている。その中で、Sweep out法は、方程式の解の存在及び解の特異性の伝播の双方に関して重要な役割を担っている。2重特性的な方程式について、可微分カテゴリでは正則函数の空間における擬微分方程式を解くことで解の存在と解の特異性の伝播に関する結果を得、また解析的カテゴリでも解の特異性の伝播に関する結果を得ていたが、解析的カテゴリにおける解の存在についても、方程式に条件を課すという弱い形ながら、正則函数の空間でsweep outを用いて示すことが出来た。だがこの結果についてはさらに強める必要がある。 また、第2超局所双曲型と呼ばれる性質をもつ方程式に関し、第2マイクロ函数のクラスでは可解だがマイクロ函数のクラスでは可解でないような方程式を例示することができた。これは、正則パラメータ付きのマイクロ函数のクラスにおけるsweep out法が必ずしもマイクロ函数のクラスでの結果をもたらさないという意味で、正則函数の空間におけるsemi-globalな解析の重要性を示す一つの根拠となっているとも言える。
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