研究課題/領域番号 |
10740090
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
林 修平 早稲田大学, 商学部, 助教授 (20247208)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | モース・スメール系 / ホモクリニック点 / dominated splitting / lyapunov指数 / Lyapunov splitting / Connecting Lemma / 双曲性 / リアプノフ指数 |
研究概要 |
当該研究課題のPalis予想は「任意の力学系は、モース・スメール系か横断的ホモクリニック点を持つ力学系で近似できる」というもので、2次元の場合がPujalsとSambarinoによって最近解決された。平成10年度の研究では、「モース・スメール系と横断的ホモクリニック点を持つ力学系の閉包の補集合において、無限個の点を含む台を持ち、かつ、弱い双曲性が台上に存在するような不変測度を持つ力学系が稠密に存在する。」という結果を得たので、それをICM99(ベルリンの国際数学者会議)で発表し、Proceedingに結果を掲載した。平成11年度は、さらにその研究を進めた。上に述べた弱い双曲性とは、Lyapunov splittingに適合したdominated splittingの存在を意味するが、Lyapunov指数0に対応するsubbundleの存在がホモクリニック点を持つことを妨げる要因になっている。このsubbundleを消去するために、Pujals-Sambarinoの論文で中心的に用いられる議論、すなわち、双曲型周期点の安定部分空間と不安定部分空間のなす角度が十分小さければ、わずかな摂動でホモクリニック点が作れるという議論を一般次元で適用し、Lyapunov指数0に対応するsubbundleの各ファイバーの次元が2以上の場合消去する。その次元が1のときはこの議論で消去できないが、その方向以外では十分な双曲性があるのでその方向に摂動することでホモクリニック点を作ることが可能に思える。証明の手がかりはすでにつかんでいるので、3月にブラジルのIMPA(純粋・応用数学研究所)に出張しIMPAの研究者と議論することでアイデアを整理した後、所長のPalis教授のレビューを受ける予定である。この議論においては、1997年にAnnals of Mathematicsに掲載された本研究者の論文で導入されたConnecting Lemmaを一般化した定理を用いるので、まずはその部分の証明を論文にしたい。
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