研究課題/領域番号 |
10740095
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 太一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20283591)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 恒星 / 激変星 / 降着円盤 / 矮新星 / ブラックホール / X線星 / 天文情報処理 / Java言語 / 新星 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に導入した計算機および開発した解析ソフトウエアを利用し、激変星の食および激変星やブラックホール連星等の突発天体現象の系統的な観測研究を進めた。本年度は150晩以上の観測を行い、新規購入した計算機・記憶装置と新たに開発した多天体解析プログラムを活用することで、予想を上回る観測的成果を得ることができた。 特筆すべきは、現在V4641Sgr(SAXJ1819.3-2525)として知られるX線トランジェントの可視光大アウトバーストを発見したことで、申請者による通報によってRXTE衛星の緊急観測が開始され、可視光のバーストに引き続く巨大なX線アウトバースト現象が観測された。このようなX線現象に先立つ巨大な可視光イベントはこの観測によって初めて明らかになったもので、従来の観測手法では見逃されてきた可能性が高い(天文学会1999年秋季年会ポストデッドライン他にて発表)。 さらに、V2051Oph,DV UMa等の食のある矮新星アウトバーストの系統的観測を行ったが、その中でも特に、IY UMaが貴重な食のある北天のSU UMa型矮新星であることを見出した。これまでに知られている食のあるSU UMa型矮新星はほとんど南天にあり、「すばる」のような大型望遠鏡で観測可能な天体が発見された意義は大きい。またDV UMaにおいて、スーパーアウトバースト初期に、降着円盤の最大エントロピー法による再構成からアウトバーストが降着円盤外縁から進展する様子が捉えられた。これはSU UMa型矮新星スーパーアウトバーストにおける初めての観測例となった。これらの先進的な観測的成果のいずれもが、突発天体アウトバースト現象の初期に得られたもので、本研究の目標を達成するのみでなく、突発天体観測の天文学的重要性を一段と明らかにするものとなった。
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