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分子性導体における低温高圧下でのX線単結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 10740185
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物性一般(含基礎論)
研究機関東京大学

研究代表者

山浦 淳一  東京大学, 物性研究所, 助手 (80292762)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード分子性導体 / 結晶構造解析 / 高圧下構造 / 高圧下単結晶構造解析
研究概要

現在の物性研究における、様々な物性現象の解釈の基礎となるのは、対象物質の結晶構造である。本研究では、分子性導体を主な対象として、実験室系において定常的に、低温、高圧下で単結晶構造解析を行うことを試みた。
当初は、BeCu製の高圧セルを用いて検討を行ってきたが、BeCu製の高圧セルは、X線による散乱が非常に大きく、回折強度の大きい試料でないと、今回試みた方法でも精度の良い回折データを得るのが困難である。従って、最高到達圧力は下がるが、X線による散乱がより少ない純Be製のX線用圧力セルを新たに設計、製作した。このようなセルを用いて単結晶構造解析を行うためには、X線が高圧セルを通過するときに発生する散乱X線をいかに除くかということにあるが、様々な方法を検討した結果、セルのみの散乱をバックグランドとしてセルと試料からの回折データから差し引く手法が最も簡便で有用であることが判明した。このために、使用する装置としては、回転対陰極型強力X線発生装置とイメージングプレート型X線回折計を組み合わせたものを実験に用いている。これらの組み合わせで、通常の実験室系で定常的に高圧X線回折の実験が行えることになった。このセルを用いての実際の実験での最高圧は4kbarである。この圧力までのX線回折実験を試みた結果、低圧領域での格子定数の圧力変化とクリアなX線写真が容易に得られた。今の所の対象物質は、Et_2Me_2P[Pd(dmit)_2]_2で、この物質は圧力下で、HOMOとLUMOの逆転が起こり金属化するとされる物質として興味深い系である。圧力下での格子定数変化は、温度変化に対するものと同様であり、この物質の圧力下での金属化が、通常のモット転移ではないかと推測している。今後は、より高圧下での構造解析の試みとして、ダイヤモンドアンビルを用いた圧力セルによる単結晶構造解析を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] J.Yamaura: "Low Temperature X-ray Study of Purely One-Dimensional Electronic System Me_4X(CPDT-TCNQ)_2(X=As,N)"Sysnth. Met.. 103. 2212-2213 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] S.Rouziere: "Low temperatue structural studies in the molecular β'-Pd(dmit)_2 conductors"Phys. Rev.. B60(20). 3113-3119 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] J.Yamaura: "X-ray diffraction study of [Zn(1-propyltetrazole)_6](BF_4)_2 single crystal"Phys. Rev.. B58(12). 14098-14101 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Jun-Ichi Yamaura: "Low Temperature X-ray Study of Purely One-Dimensional Electronic System Me_4X(CPDT-TCNQ)_2 (X=AS,N)" Synth.Metals. (in press). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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