研究課題/領域番号 |
10740247
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大場 司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10272014)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 水蒸気爆発 / 火山噴出物 / 熱水変質 / 活火山 / 粘土鉱物 / パイロフィライト / フーアンジャイト / 非本質物質 / 固体物質科学 / 熱水変質鉱物 / 東北日本 / 活動的火山 |
研究概要 |
本研究では、水蒸気爆発噴出物の固体物質科学的研究を行った。とりわけ火山から放出される物質のうち、変質した物質、特に粘土鉱物について検討を行った。特に東北日本の活火山に対象をしぼった研究を行った。本研究により、水蒸気爆発の発生条件(温度、圧力、関与した熱水の化学組成など)が明らかにされ、一般的法則性もある程度見いだされた。同時に、マグマから直接上昇してきたと考えられる熱水の影響がみられることがあることも判明した。 平成10年度の成果で既に、山頂水蒸気爆発と山麓水蒸気爆発の爆発深度、流体組成の違いなどがある程度判明していたが、数多くの火山について調査したところ、一般的に、活火山の山頂で発生する水蒸気爆発は、かなり高温の酸性熱水が関与していたことが分かった。これは、パイロフィライトなどの高温および酸性条件で安定な鉱物が含まれることにより示された。また、蔵王火山のように、水蒸気爆発からマグマ噴火へ推移するような火山では、塩酸-硫酸強酸性の高温熱水から生じたCaに富むみょうばん石(フーアンジャイト)が水蒸気噴火噴出物中に含まれることも明らかになった。これはマグマ上昇時に形成される特徴的な変質鉱物の可能性があり、将来の活火山の噴火推移予測に貢献できる可能性がある。 以上の成果は、すでに日本岩石鉱物鉱床学会学術講演会と日本火山学会秋季大会で報告済みである。現在さらに検討を加え、学術雑誌への論文投稿準備を行っている。また、八甲田火山の水蒸気爆発に関する論文は現在投稿中である。
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