研究課題/領域番号 |
10740256
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (70233666)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 高圧 / 水素結合 / マントル / ダイヤモンド / スペクトル / 中性子回折 / 地球内部 / 含水高圧相 / 赤外スペクトル |
研究概要 |
前年度に引き続き含水マグネシウムシリケートの高圧合成を行いながら、中性子回折の測定や赤外・ラマンスペクトルの測定を行った。その結果、Phase Aの水素原子まで含めた構造の解析に成功し、高圧力での構造変化についても議論を行うことができた。この成果は含水高圧シリケートに中性子回折を適用した初めての成果である。従来は複雑な構造ゆえ不可能であった仕事であるが、我々の努力によって困難を克服することができた。また、金属水酸化物の高圧下での振る舞いに関する研究でも進展があった。高圧力下では水素結合の形成と水素原子間の反発が競争的に起こることが明らかになり、水酸化コバルトで既に報告されていたアモルファス転移が、水素原子同士の反発によって生じる緩和過程に起因することを突き止めた。また、高圧実験によって元来は無水鉱物であるスティショバイトについても、含水天然MORBを出発物質とした場合の温度圧力依存性についてプレリミナリーな結果を得ることができた。 特に今年度からは固体物質だけでなく、鉱物中に含まれる流体包有物の塩濃度を水の会合状態を分光学的に数値化することによって求める方法を開発した。これによって従来氷点法によって行っていたsalinityの測定を顕微分光法によって行うことができるようになった。さらに、高圧下での赤外・ラマン測定の設備を整備しつつあり、圧力と塩濃度を変数としたスペクトル解析を今後は行う予定である。究極的には天然ダイヤモンドに含まれているマントル流体の素性を、水素結合(水の会合)というパラダイムで理解することを目指す。
|